「なんか雰囲気のあるお店~」とミモロが「四天王寺」参拝の帰り道に足を止めたのは「総本家 釣鐘屋」。
いかにも長い歴史を感じさせる佇まいのお店は、この地域では知らぬ人はいない老舗のお饅頭店です。
ここの名物は、「釣鐘まんじゅう」
小さな釣鐘の形をした焼き饅頭で、カステラ生地の中にはたっぷり自家製の餡が詰まっています。
「人形焼きのたっぷり餡って感じかな?」とミモロ。
店の奥では、職人さんが昔ながらの手焼きの技で、丁寧に焼き上げるのだそう。
「残念…焼いてるとこ見たかったなぁ~」と。
「あの~なんで釣鐘の形してるんですか?」と、お店の方に尋ねます。
「これは、『四天王寺』の大きな釣鐘を初代がモチーフに考案したお菓子なんですよ」とお店の方。
「え?『四天王寺』に釣鐘あったっけ~???」と、見損なったのかもと思ったミモロです。
「あ、今はないんですよ~」「あ、そうなんだ~」
実は『四天王寺』の釣鐘は、道路標示にもみられるように、地元では有名なものなのだそう。
今から100年前、聖徳太子没後1300年の記念事業として明治30年に鋳造が計画され、6年後完成した釣鐘です。
その大きさは、高さ約7.8m 周囲約16m 口径約4.8m、口の厚さ50㎝、総重量約157トンという巨大なサイズ。世界最大の釣鐘と言われ、大阪市民の注目を集めたのです。
「すごい~京都の知恩院の釣鐘も大きいけど、それの2倍くらいになるんだって~。きっとすごい音したんだろなぁ~」と、想像するミモロです。
「え~でも、そんなりっぱな釣鐘なのに、どうして今ないの?」とミモロ。
「それは、戦時中の昭和17年に金属回収令で供出したんです」と。「え~京都の『豊国神社』にも大きな釣鐘があるけど、大きくて外せなかったからって、供出できなかったって、お寺の人が言ってたけど…ここよりずっと小さいのに…どうやって鐘楼から外したんだろ?」と不思議に思うミモロです。
どうやって、運び出したかは、残念ながらわかりませんが・・・
供出することになったのは、その釣鐘が鳴らされていなかったことが影響しているのかもしれません。
なんでも、あまりに大きいため撞くと、地響きがすごく、しかもあまりいい音ではなかったため、釣鐘の音としては、評判がイマイチだったそう。
また、京都の「豊国神社」や「知恩院」の釣鐘のように歴史がなく、製造時期が明治末期だったことも、供出対象になった理由のひとつかも…と推察します。
でも、供出された「四天王寺」の「大釣鐘」は、地元の人の心に残るもので、今も語り継がれているのです。
「総本家 釣鐘屋」の初代店主は、その釣鐘をまんじゅうにして、参拝者に大いに喜ばれ、「四天王寺」の名物を作ったのです。
釣鐘は、「四天王寺」にはありませんが、この店には、今も釣鐘がいっぱい。
ちなみに、鐘楼はなんと戦火を免れ、国のために命をささげた戦没者の御霊を供養する「英霊堂」として改装し、今に至っています。
「釣鐘まんじゅう」のほかには、香ばしい玉子せんべいの「釣鐘せんべい」も人気。
「どれかお気に入り見つかりましたか?可愛いクマちゃん…」とお店の方。
「あの~ネコなんですけど…」とミモロ。「あ、ごめんなさい~」と慌てて謝るお店の方。
「大丈夫、よく言われるんで…」と、いつものように答えました。
さんざん悩んだ末にミモロが選んだのは、「釣鐘カステラ」。もっちりとした食感の一口サイズの釣鐘型のカステラです。
店内には、釣鐘の模型など、建物にも釣鐘のデザインが…「本当に、釣鐘愛にあふれたお店だね~」とミモロ。
「四天王寺」の参拝の折には、ぜひ立ち寄ってはいかがでしょ?
*「総本家 釣鐘屋」の詳しい情報はホームページで。お取り寄せも可能です。
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