友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

人生そのものに乾杯!

2010年10月13日 22時22分33秒 | Weblog
 今日のテレビはどこの局も、チリ鉱山に閉じ込められた工夫の救出劇を報じていた。69日間にも及ぶ地下生活は想像を超えるものがある。テレビは、すでにこの事故を映画化することや手記の発行あるいはインタビューなどが計画されていると言う。さらには、ギリシアの鉱山会社が閉じ込められた33人全員をギリシア旅行に招待するとか、スペインのサッカーチームがやはり全員をマドリードでのサッカー観戦のS席を用意しているとか、善意からなのかビジネスからなのかいろんなことが言われている。

 先ほどのニュースではすでに何人かの人々が700メートルの地下から救い出されたようだ。チリの大統領はまだ就任して間のない人らしいけれど、これまで続いてきた左翼政権から転換させた企業家のようで、メディアの社長でもあったと言うだけに、メディアの使い方が実にうまい。クリスマス頃の救出予定を、一部にはわざわざそのように報道させたと言われているが、いっきに2ヶ月も早めて、しかも地球上の多くの人々が注目をする中、夫婦で現地にいる姿を何度もテレビで見せている。

 私はまだ、小学生の頃だと思うけれど、古井戸に落ちた子どもを救出する洋画を見た記憶がある。子どもが落ちた穴は大人では入れないほど狭いため、救出のためにすぐとなりに穴を掘っていくというストーリーだったように思う。最後にはもちろん救い出されるのだが、それはとても怖い映画で、未だに閉所恐怖症から抜け出せないでいる。子どもの頃は土管やコンクリート管に入ると、もう出られないのではないかという恐怖感に襲われた。狭いところは絶対にイヤだった。身動きも出来ないような狭いところに閉じ込められたなら、何でも白状してしまうだろうから、自分はスパイとかに向かないと思った。

 チリの鉱山で閉じ込められた人たちは比較的広い空間にいる様子だが、それでも33人の仲間がいたから69日間も過ごすことが出来たのだろう。あれがひとりであったなら、これだけ長く正常な精神でいることは出来ないと思う。それにまた、いざという時には、冷静な判断と指導力を発揮できる人がいるようだ。落盤事故で地下700メートルの奥に閉じ込められて、助けに来てくれると誰が本気で信じることが出来るというのか。パニックになって当然なのに、みんなを冷静に引っ張ってきた人がいてくれたからこそ今日の救出劇があると思う。

 土壇場のところで、自分は何が出来るかが人の値打ち、人の本質なのかもしれない。地上では、本妻と愛人がはちあったとか、妻と母が受け取る金でもめているとか、33人の工夫の公にしたくないことまでもテレビは容赦なく暴き出していく。33人の人がいれば当然だけれど、33通りの人生があり、だからこそ映画になるのだろう。そう、人には人の人生があり、それは何にも代えることが出来ないものだ。妻を愛し、愛人も愛したからと言って、その人の人生を無にすることは出来ない。人生そのものに乾杯!である。
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