雪降る街 カムイラピットの楽園 こな雪 ぼた雪 あられ雪

けっぱれラピット、どろ亀さんに負けるな。ウサギとカメとの競走です。随想、旅行記、日記など、雪の降る街からのお便りです。

モエレ沼公園 モエレ山 登山は健康のバロメーター

2016-03-17 19:33:31 | 地名

「モエレ沼 モエレ山」

昔は札幌川という川が札幌を流れていました。

これは本当、これは嘘。

実は本当なのです。昔はサッポロベツといい、その後豊平川と呼ばれるようになりました。

その豊平川は3度も流れ道を大きく変えました。二度目に流れた所が現在のモエレ沼公園の周りにある川(沼)です。

しかし昔の流れの中には沼はありませんでした。後につけられた名がモエレ沼公園でした。

モエレとはアイヌ語の モ=静かな、エレ=流れ を基にした呼び名で、現在の堀のようにした池が「沼」の様だとしてと、現在のモエレ沼という地名にしました。昔は流れていた川です。

モエレ沼にはモエレ山もありますが、人工の山で、それも札幌の人が排出したゴミの埋め立てによりできたのです。

あと何百年、何千年たって、モエレ山が崩壊したら、昔の人はこんなものを使用していたのだ などとと貝塚の様に珍しい発見場所になるかもしれないと変なことを思っています。

モエレ山は62mの小山ですが、近くの人の健康バロメーターになっている山です。近所の人で毎日モエレ山に登るという人がいますが、歳を取ると次第に上るのがおっくうになり、昔は元気だったのになどと、いうことになるでしょう。

 

香川県の琴平さんは階段数が多く、歳を取ると登れないと健康のバロメーターにしているのと同じですね。この金毘羅山にはカムイラビットは5度登りました。金比羅山には歳とともに体がきつくなり登れないと年寄りはよく言います。

 

雪山のモエレ山は意外に上りやすく、わが3歳の孫もすたこらさっさ、すたこらさっさと楽々登ったのには感心しました。山登りが好きなようでよかったなあと思います。元気な孫の登山姿を見ていると顔がほころびます。

 

 


「新函館北斗」 道新幹線 新駅名

2014-06-30 20:49:13 | 地名

少し長い駅名の「新函館北斗駅」 道新幹線新駅名決定

北海道新幹線の駅の設置は今までの市街の様子、経済活動の様子を一変させるものがあります。そしてそこに造られた駅名の持つイメージが地域に大きく影響する事から、いろいろ苦労がそこに生まれるものす。北海道新幹線の北斗市迄の2016年3月開業予定の為に、二つの新駅が造られることになりました。青森県側に「奥津軽いまべつ」駅が、北海道内の渡島半島部分には「新函館北斗駅」が決まりました。

面倒な話で、北斗市に駅が造られる事になりますので、北斗市側からの財政支出も多額で、駅名は「北斗」の名を是非付けなければと強い願望があり、一方、函館市側は是が非でも函館の名は抜かす事の出来ない名であるなどと、なかなか駅名に決着が付きませんでした。ようやく6月11日(平成26年)に駅名が正式発表になりました。

駅名は「新函館北斗駅」となりましたが、これは北斗市、函館市両方の案を折衷されたものとなっています。北海道の玄関口の函館市側からすれば「新函館駅」で十分で、北斗市に住まいを持たない人から(カムイラピットも同じですが)すれば「新函館駅」で十分で、この名が最もよさそうな名ということになります。

ですが、世の中はそうはいきません。北斗市内に造られるのですから、今回の発表は北斗市側から言えば満足のいくものになっていたのではないかと思います。

「新函館北斗駅」の名は5文字で少し長い感じがします。駅名に慣れるためには少しの時間を要することでしょう。


えりも と 襟裳の違い

2014-06-06 22:13:19 | 地名

えりも町と襟裳岬

えりも岬は「襟裳岬」と書きます。また、えりも町は「えりも町」と書きます。

「襟裳岬」の名は多くの人に知られているので、地名も全国区で、多くの人に知られています。それならば、「えりも町」の名も「襟裳町」とした方が良かったのではなどと思う人が居ますが、いろいろ議論のすえに今の「えりも町」となったと思われます。

それもそのはずで、「襟裳岬」の字は誰もが読めるのですが、書いて見て下さいといわれたら、10人中さて何人が書けるでしょうか。町名を「えりも町」としたのはそのようなところにあったのであろうと思うのです。また、平仮名書きの地名は道内に他に見られないというてらいを狙って、平仮名書きの珍しい地名と多くの人に周知出来ると考えた事も起因していると思われるのです。

「えりも(えりも町)」はもともと「エンルム」というアイヌ語地名でした。アイヌ語地名研究で知られる山田秀三は、「えりも町は元来は襟裳岬の名で、町名は幌泉(ポロエンルム 大きい・岬 あるいは ポンエンルム 小さい・岬の訛りと言われる)」と述べています。

「えりも町」と改名する前までは「幌泉町」という町名でしたから、上記説明にて分かるのですが、この説明文にはおかしな所があって「幌泉」をアイヌ語で示すと「幌」は(ポロ=大きい)て゜、「泉」は(メム=泉池、またわワッカ)でなければならぬのですが、幌泉をポロエンルム として書いていては説明にならなくなります。

「襟裳岬」の歌に、森進一と島倉千代子のふたつがあり、多くの人に歌われているのは、森進一の歌ですが、「幌泉町」の名から「えりも町」の名に町名をかえるきっかけとなったのは島倉千代子の歌であったと言います。町名改定という大きな節目に島倉千代子さんがえりも町に貢献した大きさを知るのです。

※ 明日「襟裳岬」の写真撮影に入ります。どんな花と出会えるか、どの様に咲き誇って迎えてくれるか楽しみです。今回で6回目の襟裳岬行きです。


愛をはぐくむ 愛冠(あいかっぷ) 

2014-04-17 10:10:48 | 地名

「愛冠(あいかっぷ)」という魅力のある地名

十勝管内足寄町に「愛冠」(あいかっぷ)という地名があります。以前走っていた北見と池田間を通る「高原鉄道池北線」に「愛冠」という駅もありました。すでに廃線となって駅はありません。

カムイラビットが足寄に住んでいた当時、町の有志とお話していましたら「今日はこのあと愛冠で結婚式が行われ、出席する」とのことでした。町の活性化のために「愛冠」の地名にあやかり、この催しが企画され続けられているのです。地名自体美しくおめでたく感じますので町の方もよく考えたものです。「愛冠で愛をはぐくむ、愛の冠を捧げる」なんて素晴らしいと思いませんか。

この「愛冠」はアイヌ語が語源です。足寄のアイカップはアイヌが狩に出向く時に「ためし矢を放つ所なのでした。」「なかなか対岸に矢が届かないという地名」なのです。アイカップの地名は全道に何点か見られます。

 

愛冠岬 馬雪(うまゆき)出現

石狩市浜益(はまます)区毘砂別(ビシャリ)に「愛冠岬」という岬があります。ここの愛冠岬は一方が急な崖で通行が非常に困難な所なのでした。交通が困難なところもアイヌはアイカップと言ったのです。「なかなか出来ない・困難な所」というのがアイカッブです。

偶然なのでしょうか足寄の愛冠と同じ漢字が当てられ地名として残りました。地名を付ける時に同じ字が浮かんだのは偶然なのでしょうか。

この岬の山肌に4月10~15日前後になると馬の姿をした残り雪が現れます。土地の人はこれを「馬雪」といって季節の移ろいとして見ておりました。むかしはこの地区もニシンが沢山取れて居ました。ニシンが群来(くき)ている時代にはこの馬雪の現れるころがニシン漁の終わりの目安にしていたそうです。現在ではニシンは群来ず、昔語りになりました。今では馬の形をした残雪は珍しいと浜益地区の観光に役だっております。

※愛冠岬を望む浜益区のふるさと公園や、はまます郷土資料館からが良い眺めで、17日頃までが見ごろと言います。

 

 


アイヌ語地名 語源を探れば面白きかな!

2014-04-10 09:26:44 | 地名

アイヌ語地名を楽しむ

北海道の地名はアイヌ語が起源となっているものが大半です。語源を探ればむかしの状況が分かったりします。

今回は道内の中でよく知られている地名について見てみます。最初に次の地名を読んでみましょう。

①稚内   ②礼文島   ③利尻島   ④積丹半島   ⑤室蘭   ⑥支笏湖   ⑦白老

⑧平取   ⑨沙流川   ⑩弟子屈   ⑪屈斜路湖   ⑫標津   ⑬知床     ⑭当別

⑮洞爺湖   ⑯紋別   ⑰襟裳岬   ⑱雄武   ⑲長万部   ⑳濤沸湖

  

全部読む事が出来た人は北海道人として認定される人です。1個、2個読めない人は北海道大好き、旅行好きな人です。

読めそうもない地名を読むなんて楽しいですよね。答えは次の様に読みます。

①わっかない   ②れぶんとう   ③りしりとう   ④しゃこたんはんとう   ⑤むろらん   

⑥しこつこ   ⑦しらおい     ⑧びらとり   ⑨さるがわ   ⑩てしかが   ⑪くっしゃろこ   

⑫しべつ    ⑬しれとこ     ⑭とうべつ   ⑮とうやこ   ⑯もんべつ    ⑰えりもみさき   

⑱おうむ   ⑲おしゃまんべ   ⑳とうふつこ

さあて、読めない地名はなかったでしょうか。⑮の洞爺湖は「どうやこ」ではなく、「とうやこ」と読みます。⑫の標津は「しべつ」です。上川管内に士別という地名も標津の地名の起源と同じで、「シ」本当(本流)の「ベッ」は川です。どちらも「しべつ」と読みます。

次に、それではアイヌ語地名の意味はお分かりになるでしょうか。地名の語源を考えてみましょう。

なかなか難しいと思われますので、解答も添えておきましょう。

①ヤムワッカナイ 冷たい水    ②レプンシリ 沖の方の島   ③リシリ 高い島

④サク・コタン 夏の村   ⑤モルラン 小さな下り坂   ⑥シコツ 大きなくぼみ

⑦シラウオイ アブの多いところ   ⑧ピラウツル 崖と崖との間   ⑨サル アシ原

⑩テシカカ 岩の岸の上  ⑪クッチャル 湖が川になって流れ出すところ

⑫シベツ 親である川   ⑬シリエトク 大地の果て  ⑭トペッ 湖から出る川

⑮トヤ  トーヤ 湖の崖  ⑯モベツ 静かな川   ⑰エンルム 岬

⑱オム 川尻(川口)塞がる   ⑲オサマルペッ  川尻・横になっている川  

⑳ト・フツ 湖の出口                   (「北国・アイヌの伝統的なくらし」p5参考、他)


アイヌ語地名・あ・ら・か・る・と

2014-03-12 20:07:38 | 地名
北海道にはなかなか読めない地名が多くあります。

阿寒湖畔の「ホテル鶴雅」に泊まり(行って見)たくて、友人Iさん夫婦と道東巡りの観光ツアーに参加しました。もう5・6年も前になるかと思います。
さすが「ホテル鶴雅」は素晴らしく、湖畔に面した露天風呂(温泉)は風景とともに素晴らしいものでした。
そして観光バスのガイドさんはお客さんを飽きさせない様にと、いろいろ思考を凝らしておりました。
そのバスの中で渡たされた「地・名・あ・れ・こ・れ」(あなたは、いくつ読めますか?挑戦してみましょう)があります。机の中の書類をいじっていましたら出てきましたので皆さんにも紹介します。
ご存じのように北海道の地名はもともとアイヌの呼び方に和人が漢字をむりやり(?)当てたものが多いのですが、これらの地名はみな[アイヌ語地名」などと称しています。

渡たされた地名は難読地名としては初歩的な地名ばかりですが、さあて皆さまには読む事が出来るでしょうか。全問解答できた方は道内の旅行好きな方か、アイヌ語地名を研究している方なのでしょうね。

さあて 読んでみましょう。
①音威子府 ②倶知安 ③長万部 ④妹背牛 ⑤安足間 ⑥留辺蘂 ⑦大楽毛 ⑧和寒
⑨弟子屈 ⑩標茶 ⑪興部 ⑫厚岸 ⑬寿都 ⑭神恵内 ⑮比布 ⑯国縫 ⑰茅部

⑱椴法華 ⑲然別 ⑳新冠 21霧多布 22母子里 23壮瞥 24納内 25女満別 
26紋穂内 27十弗 28白老 29訓子府 30沙留 31常呂 32占冠 33秩父別 34枝幸

35虎杖浜 36真狩 37積丹 38白符 39七飯 40銭函 41美唄 42尾岱沼 43神居古潭 
44糠平 45増毛 46置戸 47野田生 48小利別 49能取 50止別

なかなか読めない地名と言えば、この看板も読めませんね、ローマ字で読み方が書かれています。珍し地名でしょう。日高管内の「三石温泉」横に流れている川にかかる橋の名です。

さあて読めましたでしょうか?
24の「納内」は読むことはできましたか そうそう「おさむない」ですよね。
26の「紋穂内」は読めますか。これは難しい 「もんぽない」でした。 
27の「十弗」という地名もなかなか読めませんね。地名は「とうふつ」と読みます。「ト」は  沼・湖で「フツ」は出口の事です。
30の「沙留」はなんと読むのでしょう これは「さるる」と読みます。
38の「白符」は  〃        これは「しらふ」 〃
なかなか読みにくいものもありますね。

ついでに解答を添えておきます。
①あといねっぷ ②くっちやん ③おしゃまんべ ④もせうし ⑤あんたろま 
⑥るべしべ ⑦おたのしけ ⑧わっさむ ⑨てしかが ⑩しべちゃ ⑪おこっぺ 

⑫あっけし ⑬すっつ ⑭かもえない ⑮ひっぷ ⑯くんぬい ⑰かやべ 
⑱とどほっけ ⑲しかりべつ ⑳にいかっぷ 21きりたっぷ 23もしり 24おさむない 

25め真んべつ 26もんぽない 27とうふつ 28しらおい 29くんねっぷ 30さるる 
31ところ 32しむかっぷ 33ちっぷべつ 34 35こじょうはま 36まっかり 

37しゃこたん 38しらふ 39ななえ 40ぜにばこ 41びばい 42おだいとう 
43かむいこたん 44ぬかびら 45ましけ 46おけと 47のだおい 48しょうとしべつ 
49のとろ 50やんべつ
 
地名の書き方も色々です。もんべつは「紋別」「門別」、そしてこの看板の地名とあります。

地名のある場所についてはご自分で調べてみてはいかがでしょうか。


メムは 居住・川の原点

2012-08-13 17:17:59 | 地名
今の北海道に「カタカナの地名」はわずかです。ニセコ町のようにカタカナ書きの地名は特殊な感じで受け取られます。川の名前にはカタカナ書きの名は結構ありますが、町名や名には限られ(なかなか見つかりません)ています。
ここであげた「メム」と言う地名は、北海道に住む者にとっては常識の中の地名(言葉)で「アイヌ語で泉の湧き出る所・泉地」をさしています。泉地(メム)は昔から生活の原点であったらしく、また。川が発生する所でもあったのです。
札幌市は豊平川の扇状地に開かれた街であり、扇状地の扇端(せんたん)にあたるところには多くの「メム」が存在しました。そこからは川が流れ出て海に繋がりましたが、メムに当たる植物園や道庁(北海道庁)の池、偕楽園にあたるところにまでは鮭が遡上しました。そこにはメムがありました。
深川市の西方に広がる農村地域に泉の湧き出るところが由来となる地名があります。住居表示では「深川市深川町字メム」です。地名はメムとカタカナ書きですが、神社はカタカナ書きではおかしいと漢字書きにしてあり、「芽生神社」となっています。アイヌ集落で知られる平取町に、スズランの群生地で知られる観光地があります。そこの地名は芽生(めむ)といわれます。深川の芽生と同じ漢字をあてているのは不思議です。

★ アイヌ語の「メム」が元になって付けられている地名としては、
   ・オホーツク管内のおおぞら町の女満別(めまんべつ)  メム・アン・ペッ。
   ・帯広管内の芽室(めむろ)町。  メム・オロ・ペッ。
   ・帯広管内の芽武(めむ) メム。
   ・日高管内のスズランの群生地で知られる平取町の芽生(めむ)  メム。
   ・深川市深川町字メム  メム。                      などがあります。

★ 学生時代、神奈川県の秦野巡検として人文地理学・地図の大家として知られる田中啓爾教授の授業を受けましたが、「秦野  (はだの)扇状地」の扇端を巡り、水神さん、神社、水守地蔵のある場所が、どれもが泉の水源のある場所でした。この水源地 がアイヌ語でいう「メム」に当たる所になります。

アイヌ語地名 「オ」の付く地名について 

2012-07-09 19:43:22 | 地名
北海道の地名の大半は「アイヌ語」に起源を持っています。
多くのアイヌ語の中でも、「オ」の付く地名に注目して見て下さい。例えば興部(「オコッペ」)、雄武(「オウム」)、札幌市の平岸の精進川(しょうじん川)の語源の「オソウシ」、長流川(「オサル」川)などで考えて見ましょう。

「オ」は「川尻」(かわじり)のことで、川の最も下流という意味のアイヌ語です。「オ」の意味を理解しておくといろいろ応用できます。
オホーツク管内の興部町は「川尻がお互いにくっついている川」(川尻・結婚=合わさって している)から名付けられた町名です。町に流れる二つの川は離れてはいますが、海岸近くで沿岸潮流で昔はくっついていたのです。

また、同じ管内の雄武(おうむ)町は、オー・ムで「川尻が・塞がる(川)」である事から名づいた地名です。雄武川は「春には沿岸潮流で砂州が川の口を塞さぐ現象の見られた川」(むかし)をよんだアイヌ語から町の名が付けられました。

今日(7月8日)は、カムイラビットが所属している「アイヌ語地名研究会」で、野外巡検を行ないましたが、巡検地の「精進川」には「滝」(ソー)があり、その滝がアイヌ語の「ソー」で、精進川の地名の起源となりました。
河岸段丘の方から流れ出た川が豊平川に流れ出る場所に、精進川の下流に滝(ソー)が(むかし)あったことにより、その場所を「オソウシ」と呼んでいたのです。その後漢字に地名を置き換える時代になり「オソウシ」がなまりになまって「オ」が省略され精進になったのでした。

もうひとつの伊達市の北湯沢温泉郷を流れる「長流(オサル)川」ですが、川尻(オ=下流)にサル(芦原)がある場所に名付けられた地名となります。

この様に「オ」の意味を持つアイヌ語を理解しておくと、アイヌ語地名の一つの理解に役立ちます。

大きい 小さい アイヌ語では  温根湯 ポン湯

2012-03-31 19:51:44 | 地名
オホーツク管内で有名な温泉は、なんといっても北見市留辺蘂町の「温根湯温泉」でしょう。温根湯の地名の起源はアイヌ語のオンネ(「大きい」)という意味です。オンネの地名があれば近くに対比語のアイヌ語のポン・(「小さい」)という地名があるはずです。
大きいが「オンネ」、小さいが「ポン」というぐあいです。
オンネユの「ユ」は「温泉」と云う意味ですので、温根湯の近くに「ポン湯」という温泉があってもよいのですが、調べてみるとありました。留辺蘂(現北見市)の駅近くに「ポン湯」温泉があります。これで、オンネとポンが対としてあるのが確認されました。
「ポン湯」は今は名前が「北見温泉」と変更されていますので、温泉のむかしの名を知らないと地名起しにはなりません。
二つの温泉は肌によい美人の湯で、飲料水にも適しているといわれます。

〔北見温泉三光荘〕(むかしポン湯)
開湯は1897年、当時はポン湯温泉と呼ばれていた。ポンユはアイヌ語の小さな湯という意味。1956年までぬるま湯であったが、その後掘削し適温の源泉を得ている。
泉質はアルカリ性単純温泉、透明泉、湧出量150L(動力)、源泉の温度43度C。飲料にも適しています。

「札幌」の地名はアイヌ語

2012-01-23 19:08:28 | 地名
札幌(サッポロ)は、「乾いた・大きい」というアイヌ語から名付けられたと言います。他に別な起源説がありますが、いまのところほぼ定説になっています。サッポロのように大きな川はうしろにペッを付けないで言うこともあったと言います。
今、札幌には豊平川が街中を流れますが、そのむかしサッポロ(ペッ)川と呼んでいました。ご存じのように大きな川でしたので、氾濫も繰り返されました。流路も大きく変えています。今ある豊平川の流れは三度目にあたります。
山から流れ出て、谷(上流)から平地に流れ出た川はジャリ(砂利)を含んだ流れで、長いことかかって扇状地を形成しました。地下が砂礫質なので、川の大半は伏流水となり、降水量の多い季節には大きな流れとなり、流れの少なくなる夏の季節には地下を流れ川が乾いたような流れとなります。この様子を見て、アイヌはサッ(乾いた)ポロ(大きい)ペッ(川)と呼んだのでした。札幌はアイヌ語のサッポロであったのです。
昔の流れは今の伏古川あたりを通り、茨戸川に流れ出ていました。二度目の流れは江別の対雁(ついしかり)に流れていました。そして三度目に今の豊平川の流れとなります。
カムイラピットの住む東苗穂(ひがしなえぼ 東区)の南にある苗穂(なえぼ)も、実はアイヌ語の「ナイポ」から付いた地名で、「川・小さい」に起源があります。苗穂は扇状地の扇端にあたり、メム(湧水地)から流れ出た水が川を形成したものでした。