かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

退院時診察(教授診)

2020年07月21日 20時17分59秒 | みゆみゆとの生活
そうちゃんを迎えに行きました。
ウトウト眠っていたようでしたが、私が声を掛けると飛び起きてさっさと靴と靴下を履き始めました。
 そうちゃん、お母さん迎えに来たよ 
 はい
 今からどこ行く?
 がっこう
低くなった声で、ぶっきらぼうに答える思春期男子。
重い方の荷物を持ってくれて、お世話になった看護師さん達にきちんと
 さようなら
と頭も下げられました。上出来。
さようなら、と返してくれた看護師さん達がニコニコ笑ってくれていて、可愛がってもらえたんだなーと思えました。

入院中は、「1日目から状況を受け入れてマイペースに過ごしていた」とのこと。
さすがの環境適応能力。
夜も、「でんきけしてください、と看護師に言ってきて、布団に入ってすぐに寝てましたよ」だって。
そうちゃんの言い回しが再現されていて、笑ってしまった。
つい真似したくなるのはみんな同じなのかな。
特徴的なしゃべり方だからね。
そういえば私も職場で新人だった頃、よく先輩や上司に真似された。楽しかった思い出。

さて本題。
退院時診察はダンディ教授。前に座るだけで背筋伸びる。
ちなみに昨日電話をくれたのはお弟子先生でした。

以下、ダンディ教授談。

 入院中は全く何も問題なかったです。
 保護室から出してあげてもよかったんだけど、二人付けた方がいいかなと思うと、人手が足りず無理でした。
 彼の問題は、突発的なことだけだね。
 けど、予測不可能だから、難しいね。
 突発的に見えても、本人の中には理路整然とした理由はあるはずなんだよ。
 でもなかなかそれが、わかってあげられないんだよなー。
 
 これはいわば、自然現象みたいなもんと思うしかない。
 雲行きが怪しい、という兆候はわかっても、どのくらいの雨が降るかわからないから完全には備えられないんだよね。
 予防するのは難しい。

 薬はセロクエルを増やしました。
 リスパダールよりは鎮静作用が強めだけど…でもどっちも五十歩百歩だと思う。
 もしまた今度があったら、僕がいない時でも保護室に緊急入院できるように申し送っておいてあげる。
 保護室が空いてなかったら申し訳ないけど預かれない、ごめんね。
 空いてたら預かってあげるから、まずは電話してきて。

男前な教授は後ろに控える弟子達の方をバッと振り返り、
 わかった?保護室空いてたら入院できるようにカルテに書いといて。
電光石火の指示。
カッコいい。
風貌は老舗喫茶店マスターみたいだけど、指示の飛ばしかたが敏腕建築士みたいにも見える。(かーちゃんフィルター、独特)
いつもこの先生の話は分かりやすくて、そしてスッと納得できる。

彼には彼の事情があるんだよ。
けどお母さん、大変だったね。
またもしもの時はここに電話しておいで。

あったかい先生。
心強い言葉、ありがとうございました。
どうぞまたいらっしゃい、そう言ってもらえることが、一番嬉しい。