想い続けることができれば、その想いはいつか成就する

その日その日感じたことを詩、エッセイ、短歌、日記でつづります。野菜も育ててます。

フランス語が誘う、マリアージュの世界

2025年02月09日 | エッセイ
コロナ6年2月9日(ウクライナ、ロシア戦争4年)

 「マリアージュ」という言葉を、先日テレビを見ていて耳にした。中年の女性が、バレンタインデーの特別な料理を作るシェフと話している場面だった。彼女が「マリアージュ」という言葉を使ったとき、私は思わず関心をひかれた。なんとも響きの美しい言葉ではないか。

 私にとって、この言葉は初めて聞くものだった。言葉に興味があるせいか、新しい表現に出会うと、その意味や背景を知りたくなる。「マリアージュ」とはフランス語で「結婚」を意味するそうだ。それを知って、ますます魅力を感じた。

 料理の世界では、ワインと料理の相性を語るときに「マリアージュ」という言葉を使うらしい。二つの異なるものが組み合わさることで、それぞれの良さを引き立て合い、より素晴らしい味わいを生み出す。まさに、お互いが「win-win」になる関係だ。結婚と同じように、一つの出会いが新たな価値を生み出すということなのだろう。単なる足し算ではなく、一と一が二ではなく三にも四にもなる——そんな関係が理想なのかもしれない。

 ワインの世界では、白ワインは魚料理と、赤ワインは肉料理とよく合うと言われる。それぞれの持つ個性が、お互いを引き立て、味わいを深める。フランス料理の真髄も、そうした絶妙な組み合わせの妙にあるのだろう。料理の世界では、単に美味しさを追求するだけでなく、いかに「マリアージュ」を生み出せるかが鍵になるのかもしれない。

 言葉には「言霊」が宿ると私は思っているが、「マリアージュ」という言葉には、まさに美しい響きがある。フランス語の音の流れは、英語とはまた異なり、どこか感性に訴えかけるものがある。「マリアージュ」と耳にした瞬間、その語感の豊かさに心を奪われた。やはり、この言葉はフランス語でこそ輝くのだろう。

 そんな「マリアージュ」という言葉が、日常の会話の中で自然と出てくるようになったら素敵だなと思う。何気ない日々のやりとりの中で、互いの良さを引き出す関係について語るときに、この言葉がすっと馴染むようになれば、日常そのものがより豊かに感じられるかもしれない。

 そんなことを考えながら、この言葉の美しさを噛みしめている。
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