相聞 三
また立ちかへる水無月の
歎きを誰にかたるべき。
沙羅のみづ枝に花さけば、
かなしき人の目ぞ見ゆる。
沙羅の花
沙羅のみづ枝に花さけば
うつつにあらぬ薄明り
消なば消ぬべきなか空に
かなしきひとの眼ぞ見ゆる
(「芥川龍之介全集 第九巻」(岩波書店)より)
相聞 三
また立ちかへる水無月の
歎きを誰にかたるべき。
沙羅のみづ枝に花さけば、
かなしき人の目ぞ見ゆる。
沙羅の花
沙羅のみづ枝に花さけば
うつつにあらぬ薄明り
消なば消ぬべきなか空に
かなしきひとの眼ぞ見ゆる
(「芥川龍之介全集 第九巻」(岩波書店)より)