地方の能楽堂なので、お客さんもわりと少なく(ってか、定員が少ない)、すごく近くで観ることができました。
そして、屋外のお能ってよいものだと実感…。やっぱ普通のホールの公演(=屋内)で演るのと違いますねー。風が通って木々はそよぐし、陽光は翳ったり差したりするし、背後の山が借景になってて、よかったです。
謡とかが聞き取りやすいのも、屋外の能楽堂だから? あの天井にうまく反響してるような気がします。(単に聞き慣れただけかもしれませんが…)
でも! 初めての時も思いましたが、舞がどーの、謡がどーのというよりも、やっぱり囃子方に意識がいってしまいます。小気味良い音のハーモニーがとても心地よかったです。あと、小鼓の打つ手が良い! 太鼓はバチを振り上げて反対の肩に持ってくしぐさが良い! 鼓を打つ指の揃え方とか、手の形が美しいとウットリしてしまいます。
「半蔀」には作り物(=小道具/大道具?)が用いられてるけど、夕顔のツルを這わせるのはいーけど、ミニ瓢箪が下がってるのは、どーよ!と思いました。夕顔の花を介してのやりとりをやってるのに、実が生ってるのは変じゃない?
演者の専門はそれぞれ分かれてる、とは聞いていたけど、具体的にどうなのかは、本を読んだので、ちょっとメモ……。
シテ方~シテ、ツレ、地謡
ワキ方~ワキ、ワキツレ (ワキは面をつけない)
囃子方~笛、小鼓、大鼓、太鼓
狂言方~(能の)アイ、狂言を演ず
囃子方もそれぞれの楽器によって、流派が別なんだー。
気楽な感じで行ったので服装もぜんぜん普段着だったんだけど、かえって良かったかも。地元の人達も大勢観に来ていて、知り合いの舞台をアレコレ話し合いながら観てるのが、能成立当時の雰囲気に近いんじゃないかと思いました。だって、きっと当時は、おめかしして行くようなものじゃなく、街の人々がヤイノヤイノ言いながら観てたんだと思うから。
でも、せっかくだから次回は着物を着て行きたいものです。(普段着のきもののつもりで。)