ひさかたの天の岩戸のむかしよりあくればかすむ春は来にけり(続後撰和歌集)
雲ゐまでのどけかるべしためしとはかねてもしるし千代の初春(新千載和歌集)
からころも春たちきぬと聞きしより日のうらうらとなりにけるかな(夫木抄)
けふこそは冬ごもりせしたきつ瀬も春のしるしに花と散るらめ(夫木抄)
あらたまの苔のみどりに春かけて山のしづ くも時は知りけり(拾遺愚草)
きのふまで冴えし山水ぬるければうぐひすの音ぞした待たれける(恵慶法師集)
いつしかと都の野べはかすみつつ若菜つむべき春は来にけり(拾遺愚草)