初春(はつはる)の初子(はつね)のけふの玉はばき手にとるからにゆらぐ玉の緒(万葉集)
もろひとの初子をいはふ小松原いく世の春の千代にあふらむ(夫木抄)
年をへて引けどもつきぬ春日野の子(ね)の日の松は千代の数かも(文保百首)
九重のかすみのうちに引く松はけふをや千代のためにしもせむ(新千載和歌集)
子の日して引きつる野べの松が根にかねて千歳(ちとせ)もあらはれにけり(草庵集)
千年(ちとせ)まで色やまさらむ君がためいはひそめつる松のみどりは(新勅撰和歌集)
みな人の手ごとに引ける松の葉の葉かずを君がよはひとはせむ(風雅和歌集)
ちとせまでちぎりし松もけふよりは君に引かれて万代(よろづよ)やへむ(和漢朗詠集)
子の日するけふ春日野に雪ふれば松に花さくここちこそすれ(正治二年初度百首)