山の端もそらもひとつに見ゆるかなこれやかすめる春のあけぼの(新勅撰和歌集)
かすみゆくさかひも見えぬ雲ぢかな春のながめのあけぼのの空(正治二年初度百首)
天つそらひとつにかすむ山の端のかぎりやいづ く春のあけぼの(明題和歌集)
よもの山かすみのころもすそ野までたちかさねたる春のあけぼの(快明詠百首和歌)
春はただかすむばかりの山の端にあかつきかけて月いづるころ(拾遺愚草)
月かげを 霞にこめて山の端のまだ明けやらぬしののめの空(続千載和歌集)
梅が香はまくらにみちてうぐひすの声よりあくる窓のしののめ(風雅和歌集)