monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

塚本邦雄の「詩歌博物誌」

2010年02月13日 | 日本古典文学

 塚本邦雄の「詩歌博物誌」(弥生書房)の其之壱・其之弐、を読みました。和歌と関連ありそうな部分を中心に飛ばし読みですが…。

 あとがきを読むと、日本語の乱れに憤慨する著者の姿勢がはっきりとあらわれていて、いっそほほえましいくらいです。そのため、この本は旧仮名遣いで書かれていて、内容が近現代なのに言葉遣いはレトロ、という不思議な感覚になったりもします。
 著者の薀蓄のアレコレには、ひたすら“脱帽”。ふかみぐさ(=牡丹)の表記が、「深見草」という当て字ではなく「渤海草」であるというのは、広辞苑にも載ってない、という部分は、思わずメモしてしまいましたよ。椿や万珠沙華は合辨花であるので「散る」とは言わない、というのも興味深かったです。

 同著者の「王朝百首」(講談社文芸文庫)という本が、去年、出ているようなので、こちらも是非読んでみたいです。それから「恋 六百番歌合」(文芸春秋)、「源氏五十四条題詠」(ちくま学芸文庫)も、機会があったら読みたいです。(特に、源氏物語の巻名を詠み込んだ歌を集めてるので、興味津々……。)