みなかみに風や吹くらし山川の瀬々のもみぢの色ふかく見ゆ(順集)
くれなゐに滝の白糸染めてけり峰のもみぢや間なく散るらむ(顕輔集)
ながれくるもみぢ葉みればからにしき滝の糸もて織れるなりけり(拾遺和歌集)
水のあやにもみぢの錦(にしき)かさねつつ河瀬に浪の立たぬ日ぞなき(拾遺和歌集)
もみぢ葉のながるる秋は川ごとに錦をあらふと人や見るらむ(後撰和歌集)
立ちどまり見てをわたらむもみぢ葉は雨と降るとも水はまさらじ(古今和歌集)
もみぢ葉の流れてとまるみなとには紅(くれなゐ)ふかき波や立つらむ(古今和歌集)