窓のもとにかかげてもなほ影くらくふけぬと見ゆる夜半の灯(草庵集百首和歌)
ともしびの光さびしき閨(ねや)のうちにさよもふけぬるほどぞ知らるる(玉葉和歌集)
柴の庵(いほ)ひまもる風のはげしさに影さだまらぬ窓のともしび(延文百首)
憂きにそふかげよりほかの友もなししばしな消えそ窓のともし火(続後撰和歌集)
寝られねばただつくづくとものを思ふ心にかはるともし火の色(風雅和歌集)
長き夜の夢ぢたえゆく窓のうちになほ残りける秋の灯(新勅撰和歌集)
深き夜の夢のなごりはほのかにてのこるともなき秋のともしび(道助法親王家五十首)
燈(ともしび)もかかげつくせる暁はねやの板まのしらむをぞ待つ(広沢切)
いつもただひとり起きゐるともし火の影よりほかにとふ人もなし(宝治百首)
今宵さへむなしくふくるともし火の消えなであすもあらむものかは(新拾遺和歌集)
(2009年11月10日の「ともしび」の記事は削除しました。)