日本国語大辞典では、「春の使い」という用語の用例として、『夫木抄』から源俊重の和歌「関こゆる春のつかひや行やらぬ音羽の山の鶯の声」が記載されていますが、作者は「藤原俊成」の間違い(誤植)だと思います。新編国歌大観ほか、夫木抄にあたってみましたが、俊成が作者となっていました。
また、別の出典にあたると用例年としてはさかのぼるので、下記にあげます。
関こゆる春のつかひやゆきやらぬ音羽の山の鶯の声
(6・俊成五社百首、日吉社百首和歌、春廿首、404)
『新編国歌大観10 定数歌編2、歌合編2、補遺編 歌集』角川書店、1992年、95ページ
~巻末解題によると、成立は1190年とのことです。