ふかみとりわかむらさきにそめてけりあふちましりのしけみこたちは
ほとときすなくねきかむとたのめつるきたののあふちはなさきにけり
(夫木抄~日文研HPより)
(木の花は)
木のさまぞにくげなれど、樗の花いとをかし。かればなに、さまことに咲きて、かならず五月五日にあふもをかし。
(枕草子~バージニア大学HPより)
けふこそはさつきのたまにぬきとめてをりにあふちのはなとみえけれ
(新撰和歌六帖~日文研HPより)
夏御歌の中に 永福門院
うすみとりましるあふちの花みれは面影にたつ春の藤浪
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)
山家樗
むらさきのゆかりの色もかうはしき嶺の庵にあふち咲く比
(草根集~日文研HPより)
五月はかりに、雲林院の菩提講にまうてゝよみ侍ける 肥後
紫の雲の林を見わたせは法にあふちのはなさきにけり
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
なにしおへはたのまれそするわかこふるひとにあふちのはなさきにけり
(好忠集~日文研HPより)
わかやとにあふちのはなはさきたれとなにしもおはぬものにそありける
さみたれにこひすといふなはたたはたてきみにあふちのはなしさきなは
(古今和歌六帖~日文研HPより)
かたをかのあふちの木すゑ雨はれてつゆふく風に花そちりゆく
(三十番歌合~日文研HPより)
夏草のしげみの花とかつ見えて野中の杜(もり)にちる樗(あふち)かな
(草根集~日文研HPより)
木陰には樗の花の散りにけり
朝露ながら草のさみだれ
(菟玖波集~バージニア大学HPより)