「苫屋形(とまやかた)」という単語には「苫で葺いた舟の屋形。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では室町末の用例を載せていますが、もっとさかのぼる用例があります。
むやひするゑなたの舟の笘やかたいふせき比に雨さへやふる
(巻第三百八十二・正治二年院御百首、小侍従、羇旅)
塙保己一編『続群書類従・第十四輯下(訂正三版)』続群書類従完成会、1983年、623ページ
おほゐかは-なつのみむすふ-とまやかた-みしかよならす-つきもやとらし
(拾遺愚草員外・556)日文研HPより
よせかへり-なみうつふねの-とまやかた-うきねはゆめも-えやはみえける
(為家千首・904、夫木抄・15786)日文研HPより