「水屑(みくず)」という単語は日本国語大辞典・第二版では、『曾丹集』(11C初か)からの例が早いのですが、さかのぼる用例が複数あります。
こひわびてたえずなみだのもろければつひにみくづとなをやながさん
(28・元真集、101)
『新編国歌大観 3巻』角川書店、1985年、94ページ
水底(みなそこ)にやどる月(つき)だに浮(う)かべるを沈(しづ)むや何(なに)の水屑(みくづ)なるらむ
(77・貞元二年八月十六日三条左大臣殿前栽歌合、十巻本、小一条中納言、39)
『平安朝歌合大成 増補新訂 第一巻』同朋舎出版、1995年、583ページ
あふまでのかたみとてこそとどめけめなみだにうかぶみくづなりけり
(4・古今和歌六帖、第五、かたみ、3136)
『新編国歌大観 2巻』角川書店、1984年、236ページ