monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

菊と月

2010年09月12日 | 日本古典文学-和歌-秋

白菊の花もてはやす霜の色に月のひかりをさしそふるかな(為忠家後度百首)

さえわたる光を霜にまがへてや月にうつろふ白菊の花(千載和歌集)

ませのうちにうつろふ菊の色をまたかへすは月の光なりけり(建仁元年仙洞五十首)

月かげに霜おきまがふ白菊の香(か)をたづ ねずはいかで折らまし(上東門院菊合)

いづ れとも見えぬ籬(まがき)の月かげを匂ひにぞわく菊の白露(千五百番歌合)

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平宗盛を花にたとえると

2010年09月11日 | 日本古典文学

 「平家花ぞろへ」より、平宗盛を花にたとえている文章を抜き出します。(「室町時代物語集成12」角川書店)

 これこそ又、優(いう)にいみじう見え給へ、さるにても御兄ばかりにてもあらで、これさへ三笠山のすゑまでのぼりたまふめでたさ、申すもおろかなり。
 長月の末つかた、なべて霜枯れわたれる庭のおもに、ことさら籬(ませ)結ひて植ゑたてたる白菊のことに美しくして、ところどころうつろひたるほどとや申さむ。

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2010年09月10日 | 日本古典文学-和歌-秋

うすくこく色ぞ見えける菊のはな露やこころをわきて置くらむ(後拾遺和歌集)

むらさきにやしほ染めたる菊の花うつろふ色とたれかいひけむ(後拾遺和歌集)

かざしには折らまほしきを白菊の花にやどれる露やこぼれむ(新千載和歌集)

白露の置きける菊を折りつればたもとぬれてぞ色まさりける(重之集)

菊のはな露とおきゐていざ折らむぬれなば袖の香こそにほはめ(古今和歌六帖)

秋ごとに露は置けども菊のはな老いせぬ秋のかざしなるらし(文保百首)

百年(ももとせ)を人にとどむる花なればあだにやは見る菊の上の露(貫之集)

今よりはまた咲く花もなきものをいたくな置きそ菊の上のつゆ(新古今和歌集)

菊の花しづ くおちそひ行く水のふかき心とたれか知るらむ(古今和歌六帖)

もろともにおきゐし菊のしら露もひとりたもとにかかる秋かな(源氏物語)

(2009年11月6日の「菊」の記事は削除しました。)

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重陽の宴

2010年09月09日 | 日本古典文学-和歌-秋

長月の今日のためにと菊の花つゆしもおひて咲きにけるかな(基俊集)

ももしきにうつろひわたる菊の花にほひぞまさる万代(よろづよ)の秋(万代集)

長月やけふ折る菊の花の枝(え)に万代ちぎる雲のうへびと(宝治百首)

折る菊の露にぬれける今日よりや千年(ちとせ)の秋にあはむとすらむ(永久百首)

露ながら折りてかざさむ菊のはな老いせぬ秋のひさしかるべく(古今和歌集)

九重(ここのへ)に千代(ちよ)をかさねてかざすかなけふ折り得たる白菊の花(宝治百首)

菊のはな今日ここのへにかざしてぞ老いせぬほどの色も見すべき(宝治百首)

ももしきや袖をつらぬるもろ人のとる手もにほふ菊のさかづ き(新葉和歌集)

九重にひさしくめぐれもろ人の老いせぬ秋の菊のさかづ き(宝治百首)

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