上野にある国立西洋美術館で開催されている「パルマ展」に、中学時代の友人のtomokoさんを誘って行ってきました。
一年の半分を、歳老いたご主人のお母様がいらっしゃる島根に、ご夫婦で通っているtomokoさんの「田舎は周囲に親戚がたくさんいて、毎日のように採りたて野菜などが届く人情味豊かな所だけど、文化や芸術的な刺激がないのが辛い!」という言葉を聞いていたので、この美術展の招待券が手に入った時、真っ先に彼女を誘おうと思いました。
上野駅の公園口で待ち合わせ。
島根から帰ったばかりのtomokoさんは、余りの人の多さに驚いていました。
親子連れのほとんどは「上野動物園」に行くのでしょう。
まだ夏休みの最中ですものね。
有名画家の超有名な絵画が展示されているわけではなく・・・
でも「見応えたっぷり!、行って良かった!」と言うのが私の印象です。
「16世紀から17世紀にかけてイタリアの北中部の都市パルマに花開いた美術を紹介。コレッジオやパルミジャニーノといった優れた芸術家が活躍したルネッサンス期から、独特の文化がファルネーゼ家の庇護の下に栄えたバロックの初期までを視野に入れながら、パルマの芸術文化を絵画、素描などの約100点の作品が並んでいます」とチラシに書かれていました。
この展覧会は一応、六つのセクションに分かれています。
1 15世紀から16世紀のパルマ-「地方」の画家と地元の反応
2 コレッジョとパルミジャニーノの季節
3 ファルネーゼ家の公爵たち
4 聖と俗の絵画-「マニエーラ」の勝利
5 バロックへ-カラッチ、スケドーニ、ランフランコ
6 素描および版画
こちらのチラシにも紹介されていますが、六つのセクションの絵画はそれぞれに興味深いものでした。
特に一番上の右端の「キリストの墓の前のマリアたち」(スケドーニ)は、作品が目に入った瞬間tomokoさんと2人で声を上げてしまいました。
光と影の手法が1613年に描かれたものとは思えないほど新鮮で強烈でした
布地に当たる光の鮮烈な明暗が、イエスが墓から甦ったことを告げ、知らされたマリアたちの驚きを効果的に表現しています。
ほぼ同じ時期に活躍したガラヴァッジョの画風を連想しますね。
個人的に一番好きな作品はこちらの「幼児キリストを礼拝する聖母」(コレッジョ)です。
何ともいえず優美で気高い作品です。
フィレンツェのピッティー宮・パラティーナ美術館で、ラファエロの「大公の聖母」を見て大感激した時と似たような感情が湧きました。
このコレッジョの作品は、フレンツェのウフィッツィー美術館所蔵だそうです
「載冠の聖母」(コレッジョのフレスコ画の模写)
アンニーバレ・カラッチ&アゴスティーノ・カラッチ
こちらも気に入った作品で絵葉書を買いましたが、優雅な柔らかい色彩が絵葉書ではちょっと失われていて残念です。
この作品は、もともとコレッジョが1522年パルマのサン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ聖堂のフレスコ画の聖母を模写したものを、カラッチ兄弟によって複製されたものだといいます。
もう一つ印象的だったのが、パルミジャニーノ作「ルクレティア」です。
貴族出身の女性ルクレティアはローマ王タルクイニウスの息子セクストゥスに乱暴され辱めから逃れるために父と夫の前で剣を自らさして自害します。
パルミジャニーノのルクレティアは凛とした表情と上に向けられた視線、そして優美な宝石で飾られた髪形と赤い頬がとても印象的です。
女性の尊厳と意思の強さが感じられますね。
第3章の「ファルネーゼ家」の公爵たちも興味を惹かれました。
1545年にパルマの領主となったファルネーゼ家の歴代君主たちの肖像が紹介されています。
イタリアが国家として統一されたのは19世紀に入ってからです。
それまでは都市国家として栄えてきた各地方はそれぞれに個性が強く特色がありますが、このパルマは「ファルネーゼ家」の隆盛により、芸術文化が花開いたのでしょう。
特に三代目のアレッサンドロ・ファルネーゼは、人質として忠誠を誓っていたスペインで頭角を現し、その肖像画もたくさんありました。
後に后となるのがハプスブルグ家の姫・・・
ヨーロッパの歴史をもう一度ひも解きたくなるような宮廷婚姻図ですね。
又、キリスト教の宗教画は旧約聖書などの題材が多く、それらを理解していないと難解ですが、それでも1時間半以上を費やしてジックリと堪能しました。
招待券を送ってくださった昔の美術館仲間のTさん、ありがとうございました
一足早い芸術の秋を味わいましたが、この催しも明後日の26日(日)で終わりです。
テノール歌手の錦織健さんの音声ガイド(500円)も、分かりやすく音楽も入って良かったですね。お薦めです。
パルメザンチーズが有名で、サッカーのナカタが最初に移籍したのがこのパルマでしたね。
その街をノンビリ訪ねてみたくなるような美術展でした
朝降っていた雨も午前中にやんで、お昼過ぎには太陽が顔をだしました。
美術館前にある文化会館2階のレストランで食事をし、その後オープンカフェでお茶しながらもっぱらお喋り・・・
「島根に住み着いてしまえば体は楽かもしれないけど、70歳を過ぎている一人者の義兄も取りあえずはまだ元気だし、義母も施設にお世話になっているし・・・、だからこうして1年の半分は、東京の自宅に戻ってきて気持ちの切り替えをしているの」
年老いた親や兄弟の問題、そして定年後はどこでどう過ごすか・・・?
どのご家庭も深刻ですよね
去年の秋に、越後湯沢に一緒に旅をして以来の再会に、話はつきませんでした。
何ていったって、12歳の時からのお付き合いですもの
tomokoさん、又機会を作って会いましょうね。
そのお友達もご主人のお母さんを世話しているとか。今ではなかなか考えられない話です。
絵画は私も好きで機会を見てはよく美術館に足を運びました。
最近はあまり行っていませんが、なぜか絵を鑑賞するのに日本人は絵の前まで行ってジッと見ている人がいます。
海外の美術館ではこんな風景はありません。
またいつも混んでいるので最近は足が遠のいてしまいました。
絵画はゆったりした気持ちで見たいものですね。
展覧会をご無沙汰しておりました。
ひさしぶりに、アートにふれました☆
のんびりと、
時間の流れるのを楽しむ・・
そんなひとときを持つ幸せを感じました。
ゆったりと時間が流れるのを感じます。
ベンチに腰掛けて噴水をぼぉ~とみているのも好きです。
お昼は美術館のレストランでいただいて、
帰りは上野で”あんみつ”をいただいて (笑)
naoママさんの解説はさすがですね・・・
美術館へ行きたくなりました(=^^=)
わたしもいつかは江ノ電沿いに住んでみたい!
なんて思ってはおりますが、こちらと行き来できるのがいいなぁ~・・・なんて思っております。こちらの生活も捨てがたいですものね・・・
あぁ~そうなったらいいなぁ~・・・
私は父の転勤で、中学時代を新潟市で過ごしています。
その時親しくなったグループの仲間と今でも付き合っていますが、彼女は唯一東京に出てきてこちらで結婚した友人なんですよ。
会うたびに、良い妻、良い母、良い祖母、良い嫁をしているなぁ~と感心します。
介護問題はお互い切実なんですよ・・・
私も今日は両親の入っている老人施設の「納涼祭」で午後から出かけてきました。
週に1~2度は必ず面会に訪れていますが、親の顔を見る度に胸が痛くなります
ところで絵画鑑賞ですが・・・
本当はもっと出かけたいところですが、年に2~3回がせいぜいなんですよ。
この「パルマ展」は、あまり知られていない作品が多かったので、人の数もそんなに多くなくとても良かったです。
近くで見たり、離れて見たりする余裕がありました。
海外の美術館は、フラッシュ禁止ですが内部の撮影ができるのに、日本はどこもノーですね
久しぶりの美術館でした。
前回はここにはUPしませんでしたが、国宝の屏風絵でした。
今回は中世期のイタリア絵画にドップリと浸かってきましたよ。
イタリアはもう一度ゆっくりと出かけて、好きな絵だけを鑑賞したいな~とも思います
腰痛は主人なんですが・・・
骨には異常が無く、筋肉の炎症と言われました。
暑い中、身動きが取れないのは可哀想ですが、イタイイタイと家の中でゴロゴロしている姿を見るのも辛いものがあります。
人間はある日突然、仕事はモチロン、やりたいこともできなくなる時がやってくるのです。
やれるうちにやっておかないと後悔しますよね
江ノ電の沿線に住むのがご希望でしたか・・・
湘南は明るいイメージで、住みやすそうですが、案外東京に出るのが大変です。
物価も高いし・・・
物価が安くて、人情味のあふれる地方に住んで、お金をいっぱい持って時々東京に遊びに来るのが一番良いような気がしますね。
確かに芸術文化に触れる機会は断然東京が多いので、fuuさんみたいに上京した時に見れば良いのですもの・・・
(横浜郊外に住む私でも、花のお江戸に出かけるのは年に7~8回くらいのものですよ)
私は転勤族の娘でしたから、本当の意味での故郷がありません。
父は東京生まれの東京育ちですが、北海道に赴任した時に、札幌育ちの母と結婚し、私はそこで生まれました。
その後も各地を転々とし・・・
今、実家は横浜の我が家近くにありますが、両親はもう老人施設にお世話になっています。
ですから、昔からの友人知人がいっぱいいる故郷で生活している方が時々とてもうらやましくなります。
今回一緒に美術館に行った友人も、彼女は知らない土地で大変かもしれませんが、ご主人にとっては故郷と東京の自分の家を行ったり来たりできて、案外、居心地が良いのかも知れませんね。
上野の森は一日ゆっくりとぶらついて見ると、その素晴らし
さが実感できますが我が家は美術的な感覚が全くと言って
よいほどありません。美術館へはたまーに友達と出かけたり、一人でのんびりと鑑賞してきます。山形へ行った時も暇を見て少し美術に触れてきました。
上野駅公園口、先日も私の姉妹が待ち合わせしましたがたまに出て行くと何かあったのかと思うほどの人・人・人で驚きました。何時も山方面ばかり行っていると混雑した人出に酔ってしまいます。
日中はまだまだ残暑が厳しいですが、朝晩の風に秋の気配が感じられるようになりましたね。
山を充分に満喫した年はそう感じませんが、今年のように友人との登山が流れた年は、夏の終わりがとても淋しく感じられます。
アウトドァー一辺倒ではまずいと思い、時々はインドァーの楽しみにも浸ることにしていますが・・・
主人はまったく興味を示しませんので、一緒に付き合ってくれる友人がいるだけでも幸せと思っています。
静かな地方都市での生活を送った身には、あの上野駅・公園口の人の多さはビックリかもしれませんが、これこそが東京・・・都会の姿なんですよね。
説明も、懇切丁寧ですね。
じっくり、拝見させていただきました。
久しぶりに、西洋絵画鑑賞で、楽しまさせていただきました。
いいものですね。
私、絵も、大好きです。
ありがとうございました。