社会福祉士×ちょっと図書館司書の関心ごと~参考文献覚え書き

対人援助の実践、人材育成、図書館学を中心に気まぐれに書物をあさり、覚え書きをかねて投稿中~

在宅医療における生と死 英裕雄 ハナブサ ヒロオ(生と死の意味を求めて 一橋出版 2002)

2008-04-25 14:08:33 | 医学
NPO法人 生と死を考える会・編
「生と死と考える会」の講演内容を文章化している。
新宿区でクリニックを開業している医師による講演。

興味深い言葉…
①日本の社会にはまだ「死」のコンセンサスがない。そのため医師は、本来の機能である「人をとことん助ける」ことになる
 →「死」が自分にとってどのようなものなのか、そして家族はどう考えているのか…事前の意思表明がなく、また医療者もギリギリにならないと意向を確認しない…そんなことがこういう事態を招いているのだろう。医師もまた、迷っているのだと感じた
②急性期治療を終えた後に、療養型の病院に入院せざる得ない人たちもいる。そこでの臨床経験から、療養型病院は「出口のない医療を行っている」と表現している。そこに勤務しているスタッフの質の問題ではもちろんなく、受け皿がなく、「帰れない」人を生み出している社会に問題があると提起している。 
 →この本の出版から約6年経過しているが、その事態に大きな変化はないように感じる。また、良くない意味で「在宅」が最後の砦となり、どんな状態であっても「帰らされる」という状況も生まれてきていると感じる。


在宅医療の特徴について、6点挙げている
そのなかの一つに、「在宅医療はチーム医療である(ケアチームの良し悪しが成否を決める)」というのがある。
ここには、「患者さんにとって」に限らず、「医師にとってもチームが必要」と書かれている。
おそらく、在総診をとらないいわゆる「往診」のみを行うのであれば、医師と看護師がいれば成り立つのだろう。しかし、ターミナルケアを視野に入れた「訪問診療」の場合、全人的なケアはできない…ということを再三述べている。

「チーム医療」の必要性はどの分野の文献をみても、必須項目として述べられている。そこで述べられているソーシャルワーカーの役割は、職種によってマチマチだが…。それを整理するのも、おもしろいかもしれない。


コメント
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