ジューンベリーに忘れ物

シンボルツリーはジューンベリー
どこかに沢山の忘れ物をしてきた気がして

授業をデザインする

2015-01-22 15:49:52 | 教育
 教師の仕事は、①学習指導、②生活指導であるが、
その他に、③外部との連携・折衝、④学校運営がある。

 今回は、その中から『学習指導』について記すことにする。

 学習指導は、主に授業で行われる。

その授業を進める上で、欠かせない視点として
 ・ねらいに沿って、ブレないこと
 ・興味関心を揺さぶること
 ・意欲を高めること
 ・子どもの反応に的確に応じること
 ・授業の改善点を次に生かすこと
などが上げられるが、
 私が最も重視するものは、その授業をデザインする力である。

 教師には、その授業のねらいを達成させるため、
全ての授業において、しっかりと授業をデザインすることが求められる。

 授業を形づくる主な授業デザインの要素は、次のようなものである。

 ① ねらいに沿った効果的な発問の吟味
 ② 理解の手助けとなる板書計画等の工夫
 ③ ねらい達成のための活動形態の確立
 ④ 理解を容易にする学習材の選定
 ⑤ 学習思考を配慮した授業の流れの創造


  加えて、授業をデザインするには、次に上げる配慮が重要である。

 (1)一単位時間をワンセットの流れと捉えデザインする

 「この授業は、これをして、これをして、これをする。」
と言った、並列で細切れの授業ではダメである。
 「これを理解させる。」と、言った明確な目標に基づいた、
一連の流れとして授業を捉え、メリハリがあり、
試行錯誤があるバラエティに富んだものにしたい。


 (2)学習課題を明示し、意識化する

 授業のねらいが、そのまま学習課題となってもよいが、
その授業の学習形態、例えば「………についてみんなで相談する。」等、
本時の学習スタイルを示すのも学習課題である。

 この学習課題は、その授業を通じ一貫としてめざすことなのだから、
必ず板書等をして、視覚的にも常に意識できるようにしたい。
なお、意識の継続には、
できるだけコンパクトでインパクトのある一文であることが望まれる。

 また、課題の達成は、「こんなことに役立つ」「今後こんな力になる」等、
課題の価値が、子供にも理解できると、意欲の高揚に大きくつながるであろう。
そのため、教師はその授業のねらいや学習課題のポジションを
的確に把握する必要がある。


 (3)授業と課題解決の流れを板書する

 黒板等は、授業における重要な学習の道具である。
従って、黒板にはその授業以外の情報があってはならない。
よく「今日の宿題」「本日の予定」等、
諸連絡が黒板の片隅にあったりするが、
これは、黒板の乱用であり、慎みたい。

 板書は、その授業の思考の流れが、
結果として、その一面で分かるものが望まれる。
従って、授業の途中で、今までの板書を消すことなど、あってはならない。

 その授業の終末で、本時の学習課題から課題解決まで、
振り返ることができる板書が、望ましいのである。
だから、板書の計画案が完結すれば、、
その授業の基本的なデザインもできたことになる。


 (4)授業の冒頭に「一人学習」の時間を設ける

 学校における授業の基本は、学び合い、そして高め合うことにある。
従って、子供同士による情報や意見等の交換は、授業のメインである。

 つまり、話し合い等の集団活動であるが、
そこへ進む前に、それぞれの子どもが自分の考えや感じたことを
確かめたり、整理したりする時間=「一人学習」の時間が、
必要なことを、私は強く主張したい。

 子どもは、5分でも10分でも、そんな時間があれば、
その後の話し合い等に、
より自信をもって積極的に関わっていくことができるのである。

 学習課題を子ども達が共有した後、
子どもが「一人で学習」する時間を設定することなく、
話し合い等にすぐに参加できる子どもは、決して多くはない。


 (5)活発なやり取りの仕組みと方法を会得する

 課題に対応する子ども達の様々な思考が、よりよいものを生み出し、
一歩また一歩とその達成へ近づいていく、それこそが授業の醍醐味である。
そのためには、その道を進む、
子ども同士のやり取りの確かな道筋をつくることが重要である。

 例えば、自分の考えをみんなの前で発表する。
その後、質問や違う考えに耳を傾け、
それに対応し、それまでの自分の考えを
さらに深めたり、追加したりして修正するなど、
学級やグループでの話し合いの方法を、
どの子も会得することが大切である。

 そのため、教師は、常にそのことへの指導の視点をもち、
学級の学習集団としてのレベルアップを図るよう、
努めなければならないのである。


 結びになるが、授業は教師と子どもによる共同作業である。
 教師は、ねらい達成をめざすと共に、
子どもの興味関心をはじめ、学習への取り組み状況への理解と対応を
授業デザインに組み入れることを欠いてはならない。

 それぞれの子どもの学習ニーズに応じてこそ授業デザインなのである。




久々の青空 ≪伊達・東山≫ 
コメント
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