nodatchのブログ

鉄道が好きな旅行作家が、取材や出版などの個人的な話を書いていきます

近鉄特急『伊勢志摩ライナー』サロンカーの旅

2016-09-21 10:23:00 | 国内の鉄道
敬老の日も近く、たまには親孝行ということで、妻とそれぞれの母親を誘い、4人で伊勢志摩に2泊3日の旅行をしてきました。どうせなら4人グループという「特権」を活かして、1人の取材旅行では乗れない車両を利用しようと考え、往路は名古屋から近鉄特急「伊勢志摩ライナー」のサロンカーを予約しておきました。



6両編成のうち、2号車(賢島行きの先頭が6号車ですから、後ろから2両目になります)がサロンカーで、4人ボックス席と2人ボックス席が並んでいました。背もたれが高く、オープン座席にもかかわらず、個室的な雰囲気があるのは好感が持てます。

しかも私たち以外は誰もおらず、2号車は貸し切り状態。もっとも、3号車から6号車までの普通車は、かなりの乗車率でしたから、サロンカーを予約したのは大正解でした。

座席の背もたれと背もたれの間に荷物置き場があるのは、ちょっと珍しい構造でした。


近鉄名古屋駅を出ると、平坦な田園地帯を抜け、木曽川、長良川、揖斐川を渡ると三重県の桑名。四日市の工場地帯をかすめ、平野を南下して、津、伊勢中川、松阪を通り伊勢市に向かいます。割と淡々とした車窓なので、むしろ車内見物をして、ユニークな車両を堪能しました。

まずは、最後尾の1号車デラックスカー。JRのグリーン車に相当する車両です。通路を挟んで2人掛けと1人掛けのシートが並んでいます。さすが、ゆったりとした感じです。シートのデザインもシックで落ち着いた雰囲気です。割増料金が必要だからか、数人しか乗っていませんでした。といっても、JRのグリーン料金に比べたら、リーズナブルなのですが・・・。


Uターンして、サロンカーを通りぬけて3号車へ。ここにはシーサイドカフェ(SeaSideCafe)というコーナーがありましたが、無人で閉鎖状態。売店やビュッフェ的なものを期待していただけに残念です。


3号車から6号車までのレギュラーカー、いわゆる「普通車」は、よくある特急車両という感じです。志摩の海をイメージした青いシートが特徴的でした。


先頭車のデッキに行ってみると、ガラス張りの運転台で、すぐ後ろには簡易な着席スペースがありました。前面展望を楽しめるようになっているとは、嬉しい配慮です。


このほか、スモーカーのためのガラス張り喫煙室、あとは休止状態のカフェに代わる飲み物の自販機が目につきました。

電車は、宇治山田を出ると山岳地帯を快走。鳥羽の手前で海に出て、JR参宮線としばし並走します。鳥羽からは、かつて志摩電気鉄道、三重交通だった路線を引き継いで線路幅を広げた近鉄志摩線に乗り入れます。歴史的経緯から、カーブが多く、一部に単線区間も残り、スピードもダウンし、ローカル線のムードが残っています。

そして、短い鉄橋で海を渡り賢島に乗り入れると終点賢島駅。名古屋から2時間少々の旅でした。


雨が降っても濡れなくてすむように駅と一体となった屋根の下で送迎バスが待っていて、3分ほどで宿に到着しました。

『SLばんえつ物語』&『現美新幹線』

2016-09-13 13:53:00 | 国内の鉄道
リゾート列車『越乃Shu*Kura』に乗車した翌々日、大人の休日パス最終日ということで、JR磐越西線を走る「SLばんえつ物語」に乗りに出かけました。以前、乗ったことがあるのですが、いつの間にかグリーン車が連結され、専用のパノラマ展望室もあるという話なので、体験乗車してみたくなったのです。普通車よりも人気のようですが、前日に何とか指定券を入手。当日は、東北新幹線「やまびこ」で郡山まで行きました。E5系とE6系が連結された列車。東京駅の日本橋口からホームに入ったので、「こまち」用E6系に乗車しました。

郡山からは磐越西線の快速電車で会津若松へ。お昼頃に到着したので、撮り鉄がしたくなり、かといって山都の一ノ戸川橋梁あたりへ行く時間的余裕はなかったので、会津若松と喜多方の中間あたりにある塩川駅で降り、ネット情報を頼りに南へ20分ほど歩いたところにある陸橋から列車を待ちました。

喜多方までは電化区間で頭上の架線が目ざわりなのですが、煙がうまく隠してくれました。まあ、私としては上出来でしょう。

30分後の列車で会津若松駅へ戻り、いよいよ「SLばんえつ物語」に乗車ですが、別のところでレポートしましたので、そちらをご覧ください。

4時間近い汽車旅を堪能して新潟着が19時06分。20分の待ち合わせで上越新幹線を走るイベント列車「現美新幹線」に乗り継ぎました。報道試乗会以来で、営業運転の列車は初めてです。

元「こまち」の車両を改造したもので、指定席の11号車は元グリーン車。ゆったりしていました。各車両のギャラリーをのんびり見て回りたいところですが、越後湯沢まで約1時間ですから、あっけないですね。カフェコーナーで買ったケーキを自席で食べているうちに終点。Maxときに乗り換えて東京駅へ戻りました。

台風の影響で北海道旅行は取りやめとなりましたが、代わりに観光列車を3本取材でき、けがの功名というべきか、それなりの成果があった3日間でした。

『越乃Shu*Kura』の旅

2016-09-11 21:12:00 | 国内の鉄道
観光列車『越乃Shu*Kura』は、新潟の地酒を味わうというのがコンセプトで、BGMとしてジャズの生演奏を楽しむのも特色です。どんな列車なのか?以下、乗ってみたレポートです。

『越乃Shu*Kura』には、びゅう旅行商品で申し込む飲食付きの特別車両があるのですが、今回は乗車前日に駅窓口で予約したので、座席指定だけのプランとなり、乗車したのは3号車でした。

快速列車ですが、シートは特急車両並み、いやシートピッチは広くゆったりしているので普通の特急車両よりも座り心地はいいと思いました。運転室側にはソファーがあり、ここはフリースペースです。
隣の2号車には、イベントスペースと売店があり、自由に利用できます。地酒や飲食が入手できたので不自由はしませんでした。

ちなみに、発車のかなり前のまだ誰も乗っていないときに1号車を見学させていただきましたが、ペアシートはこんな感じになっていました。

いよいよ出発。十日町を出て飯山線を走ります。しばらくすると、2号車でジャズの生演奏があるとのアナウンス。ギター、キーボード、フルートからなるトリオセッションで、越後川口までの20分ほどの間、楽しませていただきました。

越後川口からは上越線に入ります。今度は、イベントスペースで蔵元による地酒の試飲会。何種類かの地酒を少しづつ呑ませていただきました。飲兵衛なら物足りなくて、売店で瓶を複数買い求めることになるのでしょうが、日本酒は弱い私としては、これで充分。飲みすぎると取材に差しさわりがあるので、2杯だけ呑んで中座しました。


長岡で進行方向が代わり、信越本線を直江津方面に向かいます。柏崎を出ると、この日2回目のジャズ生演奏。日本海に面してホームがある青海川駅は、ちょうど夕陽を拝める時間帯ということで22分停車。海に面したホームへ移動して、ここで生演奏の続きが行われました。



このあと、列車は直江津から第3セクターえちごトキめき鉄道に入り(北陸新幹線開業まではJR信越本線の一部でした)、上越妙高駅が終点。北陸新幹線に乗り継いで、夜の9時過ぎに東京駅へ戻ってきました。

ほんのさわりだけの紹介でしたが、大変ユニークで面白い列車でした。今回はひとり旅でしたが、2人以上で乗車して、賑やかに過ごせば、もっと充実した時間を楽しめることでしょう。

観光列車『越乃Shu*Kura』との出会い

2016-09-09 14:09:00 | 国内の鉄道
金曜日に走っている観光列車はないだろうか?と探したところ、十日町から長岡、柏崎経由で上越妙高に至る『越乃Shu*Kura』という列車がありました。さっそく東京駅の窓口で訊いたら、残り1席だとかで首尾よく指定席をGET!!こうしてリベンジ2日目のプランは決まりました。

十日町までは、上越新幹線に乗って越後湯沢まで行き、そこから上越線、ほくほく線経由です。たいていは越後湯沢からほくほく線直通の電車があるのですが、運悪く直通のない時間帯でした。まずは、上越線の長岡行き普通電車に乗ります。

115系電車かと思ったら、新車に代わっていました。新しい車両はいいのですが、車内はほとんどがロングシート。申し訳程度にクロスシートのボックス席があるのですが、すでに満席。精神衛生に悪いです。ロングシートはそれほど混んではいなかったので、ななめ座りして、何とか車窓を眺めながら20分ほどで六日町に到着です。景色のよい区間だけに残念でした。

六日町からは、この駅始発のほくほく線に乗車。1両だけの電車で、ほとんどがクロスシート。すべて進行方向を向いています。ワンマンカーなので、運転席後ろに料金表示がでます。ディーゼルカーではなく電車なのに、なんだかバスみたいな雰囲気です。比較的新しい路線だけに踏切はなく、すべて立体交差。ミニ新幹線みたいで、かなりのスピードで走り抜けます。トンネルも多く、15分ほどで十日町着。単線なので、この駅で上下列車が行き違います。


お昼前に到着したのですが、お腹がすいたので駅構内で名物の蕎麦を食べました。駅のお店と言っても美味しくあなどれません。さすが十日町。

元気になったところで、駅から10分ほど歩いて、飯山線の踏切付近へ。あれこれ場所を探したのですが、イマイチなところばかりで結局、踏切付近から列車を待ちます。場所探しをしていたので、10分ほどでお目当ての列車がやってきました。ディーゼルカー3両編成の『越乃Shu*Kura』です。この列車が十日町に到着し、折り返す列車に私が乗車することになります。

発車まで2時間ほどあるので、急がなくても大丈夫。駅に戻っても休む場所がなさそうなので、すぐ近くのミュージアムをひやかします。よさそうなカフェがあったので、芸術鑑賞ではなく、休憩することにしました(笑)


久しぶりの銚子電鉄訪問

2016-09-07 21:58:00 | 国内の鉄道
北海道旅行が中止となったので、大人の休日パスを有効利用して代わりの取材旅行へ。改めてホテルを取るのは面倒なので、日帰り旅行を繰り返すことにしました。

まず、リベンジ第1弾として選んだ行先は銚子電鉄。何しろ函館往復をし、8時間も列車に揺られた翌日ですから、まずは近場、それにしては距離の割に時間とお金のかかる目的地で、ついつい行きそびれてしまうところなので、こうしてパスを使って行くのが好都合ともいえます。それと
最近銚子電鉄について依頼原稿を書いたのですが、電車の写真を探していて、最新の塗装の車両のものがないのが判明。この際取材しておこうと思ったのです。

ちょっと寝坊しましたが、特急しおさいに乗って、お昼頃に銚子に到着しました。

ランチは東京駅で買った駅弁を車内で食べておいたので、すぐに行動開始。銚子電鉄のホームで若い女性の車掌さんから1日フリー乗車券である「弧廻手形」を買って出発です。

銚子電鉄は、経営不振から電車の本数が大幅に減ってしまい、昼間は、ほぼ1時間に1本です。駅巡りを効率よく行うには、上下列車をうまく組み合わせて行ったり来たりするのが「鉄則」となります。

まずは、全線乗りとおして終点の外川駅へ。相変わらずの風情ある木造駅舎が出迎えてくれました。ホームの先の車止め付近には、旧型車両が展示してあるのが、以前とは異なっていました。


10分ほどで折り返し。銚子行きとなった同じ電車に乗って戻ります。今度は、銚子駅から2つめの観音駅で下車。名物の鯛焼きを買って食べたかったのですが、運悪く休業日!まだまだ、昨日の不運を引きずっているのでしょうか?

今度は、再び外川行きに乗り、外川の一つ手前の犬吠駅で下車。

弧廻手形の特権である名物濡れせんべいを1枚売店でいただきました。そのあとは南欧風の駅舎の写真を撮ったりして、次の電車を待ちます。

1編成の緑の電車が行ったり来たりしているだけのようで、車掌さんも同じ若い女性です。今度は先ほど下車した観音駅の隣の仲ノ町駅で下車。銚子電鉄の車両基地のある駅です。

ここで、新しい塗装の電車に逢えました。今日は緑の電車が頑張っていますから、動くことはなさそう。停まっている車両を撮っただけでも満足しなくてはなりません。


入場券を買って名物電気機関車デキにも逢ったけれど、この日は車庫の中でした。

次の外川行きに乗って、今度は君ヶ浜駅で下車。折り返し電車がやってくるまで20分以上あったので、急いで君ヶ浜の海を見に行きました。やはり、銚子まで行ったからには海を見なくては!

右手には犬吠埼の灯台も見え、雄大な大海原を眺めていたら、もやもやも消え去り、昨日の北海道の悪夢から吹っ切れました。

かくして、銚子電鉄の5駅を訪問。満足して特急しおさい号で東京へ戻りました。帰りの車内で次の日の行程を思案。タブレットに入れてあるデジタル時刻表を検索しながら、ふと思いつきました。さっそく東京駅下車後、窓口で調べてもらったら、運よく指定が取れたので、行先は決まりました!それは、次回レポートします。