
今日の朝刊の片隅にミリアム・マケバさんの訃報が載っていた。マケバさんといえば何といっても「パタ・パタ」だ。まだ大学生だった1967年、寮のラジオから流れてきたこの奇妙なサウンドに耳を奪われた。当時はビートルズの全盛期で、世はグループサウンズに溢れていた。その中に突然現れたこの「パタ・パタ」は日本でも大ヒットした。今考えると、エスニック音楽の走りだったのかもしれない。この曲自体は全世界でヒットする10年も前にレコーディングしていたらしいが、ハリー・ベラフォンテがマケバさんを積極的にサポートしてスポットライトのあたる場所に引っ張り出したことによって世界に注目されたようだ。また彼女は南アフリカの出身で、当時あったアパルトヘイト(人種隔離政策)に反対する活動もやっていたようだが、そちらの方は詳しく知らない。しかし、今ではその南アフリカもアパルトヘイトが姿を消し、再来年にはサッカーのワールド・カップも開かれるような国になったことは彼女にとってさぞ本望だったろう。