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ところで、戦後、横綱になったのはわずか31人だが、そのうち不祥事で引退もしくは廃業に追い込まれたのは、これで3人目である。一般社会と比較しても率が高すぎないか?横綱という地位は、ただ強いだけではなく、人格的にも他が範とすべき人が選ばれているはずなのに、だ。ここに今日の相撲社会の問題が象徴的に表れているような気がしてならない。こうなったら、大昔のように、横綱を“名誉称号”に戻したらどうだろうか。引退する時に、総合的に評価して、優れた大関には横綱という称号を与えるようにしたらいい。ちょうど“国民栄誉賞”のように。まぁ、実際には土俵入りなどのショー的要素が無くなると困るのでそんなことはできないだろうが、今回の騒動は、横綱の権威について、あらためて考えさせられた。
※写真は、“角聖”と呼ばれた第35代横綱双葉山