今日から全国25館で「午前十時の映画祭」というイベントが始まった。熊本では、TOHOシネマズ光の森で行なわれている。映画ファンの投票で選ばれた洋画の名作50本が、各々1週間ずつ上映される。映画館のスクリーンでは見逃した作品や、もう一度大きなスクリーンで見たい作品などを見るチャンスができたわけで、そのことは嬉しい。ただ、僕らの年代の男性は、子どもの頃、西部劇から入ったという人が多い。だから、同世代で西部劇の話になると結構うるさい。そんな目で、今回選ばれた作品を見ると、50本中2本の西部劇が含まれている。数的にも若干不満はあるのだが、それよりも選ばれた作品に納得がいかない。選ばれたのは「明日に向って撃て!」と「ワイルドバンチ」の2本だが、この2本が良い作品であることは認めるにしても、いずれの作品も西部劇の全盛期が終った後に作られた作品で、「明日に向って」の方は、いわゆるアメリカン・ニューシネマの代表的なものだし、「ワイルドバンチ」も正統派の西部劇とは言い難い。この2作品が選ばれたというのは、やはり西部劇の時代が遠くなってしまったんだなぁという感を強くした。寂しいことだ。
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アメリカ映画オールタイムベスト100の12位にランクされる「捜索者(1956)」のラストシーン
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アメリカ映画オールタイムベスト100の12位にランクされる「捜索者(1956)」のラストシーン