
昭和20年8月6日午前8時15分、広島県立広島第一高等女学校の1年生223人は、爆心地から600メートルの場所で建物疎開の作業中に被爆、全員が亡くなった。この日、病気で休んだり、作業に行かなかった同級生だけが生き残った。亡くなった生徒の日記帳や生き残った同級生や遺族の証言をもとにこのドキュメンタリー(再現ドラマを含む)が作られた。暗い戦争の時代に健気に生きる思春期の少女たちをみずみずしく描き、戦争および原爆の惨たらしさを際立たせている。結果的に、原発事故が起きた今年、この番組を見ることができたことは一層意義があったように思う。この少女たちと同じ時代に教職にあった僕の母は涙なしには見れなかったようだ。