
「山裾の小松が下の赤土に
乏しく立てる女郎花のはな」
この短歌自体は知らなかったが、おみなえしは秋の七草のひとつだから季節的にはちょうどいい。与謝野晶子がこの短歌にどんな想いを込めたのかはわからないが、情景はよ~く浮かんでくる。ところで、どうしておみなえしに女郎花という漢字を当てたのだろうか。万葉集の頃からこの字を当てていたというから起源は相当古い。もともと女性を表す「おみな」と飯「めし」を合わせた「おみなめし」が語源らしい。その頃は「女郎」とは高貴な家の奥方を指していたという。けっして江戸時代以降によく使われる「遊女」を指す言葉ではなかったそうだ。
