徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

「道成寺」 と 「ロング・グッドバイ」

2014-04-28 16:34:34 | テレビ
■古典芸能への招待 「能 道成寺 ~喜多流~」(NHK-Eテレ)
 昨日4月27日は和歌山の道成寺で「鐘供養」が行なわれたそうで、これに合わせたのか、「能 道成寺」が放送された。能の中でも最も人気の高い演目の一つといわれるが、「安珍・清姫伝説」に材を取ったこの能楽をもとに、歌舞伎や浄瑠璃などの「道成寺もの」へと発展している。僕はこの能を全編を通して見たのは今回が初めて。ストーリーは分かっているだけに没入して見ることができ、見せ場の乱拍子や鐘入りのスリリングな場面を十分堪能することが出来た。


蛇体に変身した女が柱に巻き付く「柱巻き」の場面


■土曜ドラマ 「ロング・グッドバイ」(NHK総合)
 2年間待っていた渡辺あや脚本のドラマ。今回はレイモンド・チャンドラー原作のフィリップ・マーロウもののドラマ化である。僕はフィリップ・マーロウが登場するアメリカの映画やテレビドラマは沢山見ているが、この「ロング・グッドバイ」は原作を読んだこともないし、映画化作品も見たことがない。で、いったいどんな作品になるのか期待と不安が相半ばした。昭和30年頃の東京を舞台に設定されているが、朝ドラ「カーネーション」のような庶民の生活感は微塵もなく、思いっきり「無国籍で異形の世界」を楽しめばいいドラマのようだ。おそらく渡辺さんのねらいはそこらへんにあるのだろう。
 主役の探偵を演じる浅野忠信がいい。大正解のキャスティングではないだろうか。傷だらけの顔は、ちょっと「チャイナタウン」のジャック・ニコルソンを思い出させるが、淡々とした探偵像が余計存在感を際立たせる。他の出演者も小雪を始め、大変失礼だが「異形」の怪優たちがズラリ。まだ2回目が終わったばかりで、これからの展開が大いに楽しみだ。「あまちゃん」で話題となった大友良英の音楽は画面の雰囲気には合っていて悪くはないのだが、ちょっとベタな感じはしてしまう。