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と言ってもこの祭りのことは知らない。近年になって始められたようだ。ただ、天満宮境内の春風楼に上る坂のことを地元の人が「鈴虫坂」と呼んでいたことは憶えている。
幕末の女流歌人であり勤王家としても知られる野村望東尼(のむらもとに)が防府天満宮の大専坊に宿泊した際、鈴虫の音に聞きほれたことから「鈴虫坂」の名が付いたという。この祭は望東尼の没後150年を機に始まったらしい。
防府時代住んでいた社宅から、まだ幼かった子供たちを連れて近くの桑の山によく登ったものだが、その途中に野村望東尼のお墓があった。海・山・川の自然に恵まれ、防府おどりや天満宮の裸坊祭にも参加したり、濃密な2年と10ヶ月を過ごした。あれから40数年が過ぎた。
2019年の「鈴虫放生祭」