徒然なか話

誰も聞いてくれないおやじのしょうもない話

三番叟?のような…

2023-07-17 21:35:40 | 古典芸能
 明治中期から昭和初期までの40年間にわたり、日本と日本人をこよなく愛し、その姿を撮り続けたバートン・ホームズというアメリカ人の映像作家がいる。彼が遺した映像は日本の民俗史料として大変貴重なものだ。下の映像もその一つで、1920年代と記されているので大正9年(1920)から昭和4年(1929)までの間に撮影された映像で、まだ子供と思しき二人の芸妓が一人は大鼓と小鼓、もう一人は太鼓を、大人の芸妓たちの三味線、箏、笛、胡弓などと一緒に演奏したり、その後、衣装を着替えて舞を披露したりしている。残念ながらサイレント・ムービーなので曲もわからないし、英語のキャプションにも演目や場所などについての記述はない。
 10年ほど前にこの映像を初めて見て、演奏している曲、舞っている曲が何なのか調べたいと思った。しかし、この映像について解説するような資料は見出せなかった。そこで浅学な僕の限られた知識で推測してみることにした。まず前半の演奏だが、いきなり鼓がリードしているように見え、日本舞踊の出端、例えば長唄「供奴」のような曲かもしれない。後半の舞は衣装や所作から見て三番叟系のように思われる。10年前に撮影した「羽衣三番叟」を見てみたら雰囲気がピッタリのような気がした。




2013.1.2 熊本城本丸御殿 冬のくまもとお城まつり
三味線:今藤珠美と今藤珠美社中
  筝:下田れい子
鳴 物:中村花誠と花と誠の会
振 付:中村花誠
踊 り:ザ・わらべ(中村くるみ・上村文乃)