迷レンズ探訪

あまり陽の目を見ないレンズやカメラを取り上げていきます。

ライカのヘリコイドに入った謎のソフトフォーカスレンズの正体は?

2023-04-30 16:43:14 | 改造レンズ、マウント改造

以前にライカのライカのビゾフレックスシステムのヘリコイドに入った謎のレンズを紹介しました。その時に実写結果から、焦点距離は7cm位で開放F値が6.3程度のソフトフォーカスレンズであることを書きました。

このレンズの正体は何者だろうかと気になっていましたが、先日、興味深い記事(*1)を見つけました。
1912年に米国コダックから発売されたベスト・ポケット・コダックというカメラの単玉(2枚貼り合わせのセミアクロマテッィク)レンズの絞り付きレンズフードを外して絞り羽根をより広げて撮影することで、ソフトフォーカス効果が得られるという撮影法が、かつて日本で流行っていたそうです。この撮影技法を「ベス単フード外し」と呼んでいました。この記事では、レンズユニットをカメラから摘出して35mm一眼レフで使えるようにする、という記事です。
そこに書かれていたレンズ構成図に、焦点距離72.2mm、バックフォーカス74.3mm、フード外した最大口径時のF値が6.8と書かれていました。ちなみに謎のレンズのレンズ後端からセンサー面までの距離を測定してみると、約7.5cmでした。

そうなんです、自分でざっくり実測した値に近いのです。
改めてWebに出ているベス単レンズの写真を見ると、何となくソフトフォーカスの具合が似ているようにも思えてきました。

ということで、私が入手したライカのヘリコイドに入った謎のソフトレンズは、「ベス単レンズ」ではないかと推定しました。このレンズのことを勝手に「ベス単(仮)」と表記しようかと思います。

ソフトフォーカスとは言え、ピント合ったところはそれなりにしっかり描写がされていて、けっこう優秀なソフトフォーカスレンズだと思っていましたが、あの名高い「ベス単」とすれば、なるほど納得できそうです。

ベス単とすれば100年以上前のレンズです。こんな素晴らしいレンズが今でもデジタルで撮影できるとは、よい時代です。

 いずれもLumix DMC-G2+ベス単(仮)レンズ

(*1):萩谷剛「ベス単レンズを35mm一眼レフで使う」『写真工業 2000年6月号(第58巻第7号,通巻615号)』写真工業出版社、2000年7月1日発行、pp.42

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ボケがきれいなMFのEマウントレンズ 7artisans 25mm F1.8

2023-04-26 08:26:31 | Miscellaneous Lens

マニュアルフォーカスのEマウントレンズ7artisans 25mm F1.8で、花壇の花を撮影しました。

 

もう少し近づいてみましょう。なだらかにボケていきます。

 

なかなかきれいなボケです。

 

さらに最短撮影距離の0.18m近くまで寄ってみましょう。ゆるやかにボケていきます。柔らかいボケです。

 いずれもNEX-3N7artisans 25mm F1.8

お手頃なマニュアルフォーカスレンズですが、こんなにもボケ味の良いレンズなんですね。改めて見直してしまいました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

中途半端なシャッター速度を持つコンパクト一眼レフ FUJICA ST605

2023-04-23 21:10:55 | Classic Camera

富士写真光機(現富士フィルム)から発売された普及型一眼レフカメラFUJICA ST605です。フジカは1970年にST701で一眼レフ市場に参入し、開放測光で2000/1秒シャッターを持つST801、絞り優先自動露出のST901と続いたのちに、1976年に普及型としてST605を発売しました。

  フォーマット :135判 24×36mm
  マウント   :M42 (プラクチカスクリューマウント)
  シャッター  :機械式横走り布幕フォーカルプレーン
  シャッタースピード:B, 1/2-1/700秒
  ファインダー :ペンタプリズム式(固定)、倍率0.96 視野率92%
  フォーカシングスクリーン:スプリットマイクロプリズム
  露出計    :TTL中央重点絞り込み測光、指針表示
  フィルム送り :レバー巻き上げ、クランク巻戻し
  バッテリー  :SR44またはLR44 2個
  外形寸法   :133×86×49mm
  重量     :565g(ボディ)
  発売日    :1976年7月

見た目はかなりコンパクトな金属製の一眼レフです。性能的には、絞り込み測光、そしてシャッター速度が1秒と1/1000秒を省いて、1/2秒から1/700秒になったことです。特に1/700秒ですが、1/500秒との差はわずかですが、1/500秒止まりの機種よりは少しだけ優れているということを強調したかったのでしょうか。

 

背面のファインダー左横にボタン電池を入れ、露出計を動かします。露出合わせはファインダー内の指針で確認します。 

ちょうど同じ年にはキヤノンのベストセラー一眼レフAE-1が発売されています。時代はAE-1に代表されるようにな開放測光AE方式が主流になっていきます。その中で何か時が停まったようなカメラでした。ただし、現代においては、AE方式のカメラは故障しているものも多いようです。このST605のような機械式カメラは、メンテナンスさえしていけば、かなり長生きできるカメラです。私のST605も、発売されてから半世紀近くたっても、露出計もシャッターも動きます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

近寄れる標準で撮るサクラ SONY DT 35mm F1.8 SAM

2023-04-15 18:03:06 | A-mount by KONICAMINOLTA, SONY

近寄れる標準レンズSONY DT 35mm F1.8 SAMで、遅咲きのサクラを撮りました。このような距離ですとなかなかきれいにボケてくれます。

このレンズは最短撮影距離0.23mmまで近づけますので、マクロレンズのようにも使えます。

ちょっと離れて、後ろに玉ボケを入れてみました。絞り開放では少し口径食も出て、こういう構図ではいい感じのボケになります。

 いずれもSLT-A33+SONY DT 35mm F1.8 SAM

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一味違うライカマウントRF機 minolta-35IIB

2023-04-09 16:10:15 | Classic Camera

1958年に発売されたレンズ交換式レンジファインダー(RF)カメラminolta-35IIBです。レンズマウントはライカLマウント(L39)です。このミノルタ35シリーズは、最初のモデルのI型が1948年に発売され、その後、E型、F型、II型(前期)、II型(後期)と続きました。(*1) そして最終モデルとなるIIB型が1958年に発売されました。

  フォーマット :135判 24×34.5m (注)
  マウント   :L39 (ライカスクリューマウント)
  シャッター  :機械式横走り布幕フォーカルプレーン
  シャッタースピード:B, 1-1/500秒 3段時間調節セルフタイマー
  ファインダー :距離計内蔵(距離計基線長40mm)、倍率0.8
  フォーカシング:二重像合致式
  露出計    :なし
  フィルム送り :レバー巻き上げ、クランク巻戻し
  重量     :596g
  発売年    :1958年

ミノルタ35は、ライカマウントRF機ではありますが、どうせ作るならできるだけ独自の発想を取り入れようということで、独自性の強いカメラに仕上がっています。その中でも、裏ぶた開閉式の採用により、フィルムの装填はライカより格段にやりやすくなっています。

他にも一眼式の連動距離計、シンクロ接点搭載、セルフタイマー搭載など、当時のライカIIIcよりも進んだ機能を有していました。このあたりが他の国産ライカコピーカメラとは一線を画していたようです。

そしてこのminolta-35IIBになると、レバー式巻き上げがレバー式になり、ファインダー倍率も0.8倍まで引き上げられ、かなり使いやすいRF機となっていました。

このminolta-35IIBを入手したのは、ミノルタ(千代田光学)のライカLマウントレンズであるSUPER ROKKOR 1:2.8 f=45mmを装着してミノルタ(千代田光学)同士の組み合わせの姿を楽しんでみたいと思ったからなんです。
なかなか美しい組み合わせだな、と一人で感心しています。

ただ、実際には、SUPER ROKKOR 1:2.8 f=45mmはminolta-35 I型の標準レンズで、minolta-35IIBの標準レンズとしてとしてはSUPER ROKKOR 50mm F1.8が用意されていました(*2)。 でも美しいので良しとしませんか。
minolta-35IIBを入手当時は動いていたのですが、何度もシャッター切るうちにシャッターが閉まらなくなるという状態になってしまいました。そのうち分解してでも直そうかと思っていますが、どうなることやら。

(注) 一部のHPや書籍では、minolta-35IIBを、minolta35シリーズで初めてライカ判(24×36mm)になった機種として紹介していますが、実際には画面サイズは24×34.5mmです。24×36mmにできなかったのはカメラ内の「スペースの関係」とのことです。(*2)

参考文献
(*1):「ミノルタ35のすべて」『ミノルタカメラのすべて エイムック735』枻出版社、2003年9月30日発行、pp151-153
(*2):小倉敏布「ミノルタ35用ロッコールレンズとそのころの舞台裏」『カメラレビュー クラシックカメラ専科 58』朝日ソノラマ、2001年3月25日発行、pp.56-61

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

いろいろなサクラが咲いています

2023-04-04 16:39:32 | A-mount by KONICAMINOLTA, SONY

ソメイヨシノが散り始めた後、いろいろな種類のサクラが咲いています。枝垂れ桜や八重桜や山桜。色も白、ピンク、薄桃、赤、黄緑、と様々です。

 

  いずれも SONY SLT-A33+Minolta AF MACRO 50mm F3.5         

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サクラの季節の桜色電車

2023-04-02 18:02:56 | Lens made by TAMRON

サクラの咲くこの季節には、桜色の電車が似合います。

 SONY SLT-A33+Tamron 18-270mm F3.5-6.3 Di II PZD

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ぐるぐる廻るお花見

2023-04-01 12:02:48 | Cine lens, TV lens

ソメイヨシノに続き、山桜や枝垂れ桜や八重桜など、次々と咲いています。
そんな桜を、ぐるぐるレンズのCINE YASHINON 13mm F1.4で撮りました。思い切りぐるぐる廻っています。飲んでいないのに酔っぱらったみたいな気持ちになります。酔いやすい方は凝視しない方がよいかも・・・

 いずれも、Pentax Q7+CINE YASHINON 13mm F1.4

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする