薬局のカエルのケロちゃんやフィールドスコープなどでおなじみの興和ですが、1960年代から70年代にかけて35ミリ判レンズシャッター式の一眼レフを販売していました。その中からKowa SE を紹介します。
型式 :135判(24×36mm)レンズシャッター一眼レフカメラ
レンズ :KOWA 50mm F1.9(4群6枚)※1
焦点調整 :0.7m~無限
フィルター径 :49mm
シャッター :レンズシャッター SEIKOSHA-SLV
シャッタースピード:B, 1-1/500秒 シンクロM,X,V
ファインダー :ペンタプリズム式(固定)
フォーカシングスクリーン:スプリットイメージ、マット
露出計 :cds外部測光、指針表示
フィルム送り :レバー巻き上げ、クランク巻戻し
バッテリー :1.3V HD水銀電池
重量 :880g(実測)
発売日 :1964年
ある中古店のジャンクコーナーにひっそりと置かれていたのを見つけました。てっきりレンズ交換できる機種だと思い込んで購入したところ、店を出て確認すると残念ながらレンズ固定の機種でした。
1960年代には、カメラメーカー各社からレンズシャッター一眼レフが発売されていました。その中でも力を入れていたのが、東京光学(現トプコン)と興和です。トプコンのレンズシャッター一眼レフとしては、レンズ固定式のPRとレンズ交換式のUNIREXを以前に紹介しました。
興和の一眼レフ機は本ブログでは初めての紹介となります。興和の35mmレンズシャッター一眼レフの歴史は、まずはレンズ固定のKowaflex、Kowaflex-E、Kowa SE、Kowa SETと進みました。レンズ交換式一眼レフとしては1965年からKowa SERシリーズが発売されます。 改造レンズとして紹介したSER 50mm F2は、このSERシリーズ用の交換レンズです。(※1)
このKowa SEは、正面から見てペンタプリズムの左側にcds露出計のセンサー窓があります。
軍艦部の上には余計なダイヤルもなく、かなりシンプルな配置になっています。
裏ブタ開けてみると、レンズシャッター一眼レフの特徴である、ミラー裏側に遮光板がついているのが見えます。
入手したKowa SE のシャッターは故障していました。そのうち分解して修理に挑戦してみようかと思っています。
<参考文献>
※1:谷村吉彦「35mmレンズシャッター一眼レフへの道(完結編)」『カメラレビュー クラシックカメラ専科 22』朝日ソノラマ、1992年9月25日発行、pp.117-127