迷レンズ探訪

あまり陽の目を見ないレンズやカメラを取り上げていきます。

噛みしめるほど味が滲み出てくるレンズ Minolta MC ROKKOR-PF 58mm F1.4

2024-12-21 23:38:22 | MC,MD mount by MINOLTA
先日、カメラ屋のジャンク売り場でレンズの表面と内部にカビがあるMinolta MC ROKKOR-PF 58mm F1.4を見つけ、入手してきました。


表面のカビを簡単に拭き取ったあとに、レンズ後端から分解をして、絞り前後のレンズにあったカビを清掃しました。これで大丈夫だと思って組み立てたのですが、光を当てるとクモリが残っています。よく見ると最後尾のレンズの内側の面が曇っているように見えます。この面はミノルタ特有の緑色のコーティングがあるところで、webによると、ちょっと触るだけでコーティングが剝がれてしまうとのことでしたので、今回は全く触らずにいました。このままでは中途半端な状態ですので、そのうちコーティングを触って清掃するしかないか、と思っています。
とはいえ、クモリありで撮影したらどんな感じになるのかと思い、夕暮れの街に持ち出して撮影です。望遠気味で使いたかったので、マイクロフォーサーズ機で撮影しました。
夕暮れになり灯りが気持ちよく滲んでくれました。


以前にも取り上げましたが、このレンズはバブルボケが出るレンズとして知られています。

もっと近づいてみましょう。大きなバブルが出てきました。


このレンズが活躍するのは、薄暮の夕暮れから陽が沈むまでの間です。噛みしめるほど味が滲み出てくるレンズです。


 OM-D E-M1+ Minolta MC ROKKOR-PF 58mm F1.4

レンズの分解は、自己責任でお願いします。


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60年前のミノルタの小型中望遠レンズ AUTO TELE ROKKOR-QE 100mm F3.5

2024-03-17 15:10:28 | MC,MD mount by MINOLTA
今日のレンズは、ミノルタのマニュアルフォーカス(MF)時代の小型の中望遠レンズ、AUTO TELE ROKKOR-QE 100mm F3.5です。ミノルタのMFレンズのシリーズは、古い順からAUTO ROKKOR、MC ROKKOR、MD ROKKOR、MD(New MDとも呼ぶ)と変っていきますが、基本的なマウント形状はずっと同じです。

AUTO TELE ROKKOR-QE 100mm F3.5は、初期型がミノルタ初の一眼レフSR-2の発売と同じ年の1959年に発売されました。開放F値に無理がない廉価版レンズの位置づけだったようです。今日のレンズは、初期型からレンズ鏡胴のデザインが変更になった後期型で、1965年に発売されたようです。約60年前のレンズということになります。その後、1966年にはTTL開放測光になったSRT-101発売と同時に、MC ROKKORのタイプに変更されたので、発売期間は短かったと思われます。ちなみにレンズ名に付いているアルファベットは、レンズの群数記号(T=3、Q=4、P=5、H=6、S=7、O=8、N=9)と枚数記号(C=3、D=4、E=5、F=6、G=7、H=8、I=9、J=10、K=11、L=12)を表します。QEは4群5枚のレンズ構成になります。

   レンズ構成    4群5枚
   最短撮影距離   1.2m
   重量       239g
   フィルター径  52mm

本レンズの特徴は、なんといって小型軽量なところです。この小ささなら、1本カメラバックに忍ばせて持っていけそうです。とは言っても、マクロでない中望遠レンズ、私は上手く使いこなせていません。中望遠は難しいです。

では、写りのほうはいかがでしょうか。まずは遠景、しっかり解像しています。


近距離では、背後のボケは少し硬い印象はありますが、二線ボケはあまり見られません。


まあきれいなボケといえるでしょうか。


最短撮影距離1.2m付近では、ボケが大きくなり、良い感じです。


逆光には弱く、光が入ると、強いゴーストがでます(左下画面にくっきりとした虹色の輪っかがみえます)。


玉ボケがたくさん入るように写してみました。


なかなか、良いレンズですね。

 SONY α7+AUTO TELE ROKKOR-QE 100mm F3.5
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バリバリ写るハーフマクロ Minolta MD MACRO 50mm F3.5

2022-08-12 22:50:47 | MC,MD mount by MINOLTA

今日のレンズは、ミノルタのマクロレンズ MD MACRO 50mm F3.5です。


   レンズ構成    4群6枚
   最短撮影距離   0.23m(ハーフマクロ)
   フィルター径   55mm
   重量                  200g


ミノルタMFカメラ用としては最後の50mmマクロレンズです。
無限遠からヘリコイドを回していくと、伸びてきた鏡胴の側面に拡大倍率が出てきます。右の白字がレンズ単体での倍率で最大1:2のハーフマクロになります。専用中間リングを付けた場合は左の青字の倍率となります。またヘリコイド部分の先端には+1/2や+2などの数字が書かれていますが、これらは接写時の露出倍数を表しています。

現在のようにTTL露出計で測定して自動露出で撮影するのが当たり前の時代には不要な数字ですが、まだ自動露出でないカメラも使われていた時代ですので、有用な表示だったのでしょう。
今回はマイクロフォーサーズ機で撮影しています。フルサイズ機で使うときの倍の焦点距離の画角での撮影になりますので、中望遠の100mmマクロでの画角となり、50mmマクロはなかなか使い勝手の良いレンズになります。
写りのほうは、ピント面はバリバリにシャープです。ボケは滑らかでなかなか良い感じです。

こちらもなかなかシャープです。

条件によっては玉ボケの輪郭が少しくっきり出ることもあります。これもシャープさと裏腹の現象なんでしょうか。


 Lumix DMC-G2+Minolta MD MACRO 50mm F3.5

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平凡なスペックだけど、しっかり写る広角レンズ MD 28mm F3.5

2019-05-22 22:45:35 | MC,MD mount by MINOLTA
ミノルタのMFの広角レンズMD 28mm F3.5です。MDレンズの時代まではMDのあとにROKKORという銘が入っていましたが、その次の出たNewMDシリーズではシンプルにMDのみとなりました。
 

   レンズ構成   5群5枚
   最短撮影距離  0.3m
   重量      170g
   フィルター径  49mm

28mm F3.5という平凡なスペックの広角レンズですので、ミノルタのMFレンズとして、SR、MC、MD、newMDの各時代で数多くのバージョンが存在します。当ブログでもMD W.Rokkor 28mm 1:3.5を紹介しました。今回紹介するMD 28mm F3.5は、1981年発売のMF時代の最終バージョンとなります。とても小さくて軽いレンズです。

では写りのほうはどうでしょうか。まずは遠景ですが、絞り開放でも周辺まできれいに解像しています。


そして近接撮影です。けっこうボケもきれいな感じがします。


さらに最短撮影距離付近での撮影です。絞り開放でここまで背景がボケます。

  いずれもSONY α7+MD 28mm F3.5

しっかり写る良いレンズですね。
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柔らかい描写をする準標準レンズ AUTO W.ROKKOR-HG 35mm F2.8

2018-12-02 16:20:19 | MC,MD mount by MINOLTA
ミノルタの35mmマニュアルフォーカスレンズ、AUTO W.ROKKOR-HG 35mm F2.8です。
MDやMCよりもさらに前の時代の1965年頃に製造されたもののようです。HGですので6群7枚で、前玉が2枚の凸レンズからなるトロフォーカスタイプです。


   レンズ構成  6群7枚
   最短撮影距離 0.4m
   重量     281g
   フィルター径 55mm

さて写りのほうはどうでしょうか。絞り開放では少し甘く、口径食の影響もあり、なかなか特徴的な描写となります。


でもF4まで絞ればきっちりした絵になります。


こういう絵では、うしろボケが柔らかくて、とてもきれいです。

  いずれもSONY α7+AUTO W.ROKKOR-HG 35mm F2.8

今から50年以上前のレンズですが、十分使えます。当時としてはかなり優秀なレンズだったのでしょうね。
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ふつうに凄い AUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8

2018-10-06 23:41:51 | MC,MD mount by MINOLTA
ミノルタのMFレンズAUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8の紹介です。このAUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8には3種類ほどあるようですが、これは後期型にあたるもののようです。距離リングは金属の削りだしです。


絞りは6枚。一応マルチコーティングのようです。


AUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8(後期型)
   レンズ構成  5群6枚
   最短撮影距離 0.5m
   フィルター径 52mm

見た目はふつうのレンズですが、さて写りの方はどうでしょうか。
遠景はしっかり写ります。色の乗りも良いですね。


絞り開放の近接撮影では、ピント合ったところはかなりしっかり解像しています。ボケも落ち着いて優等生ぶりを発揮しています。


前ボケ、後ろボケともに、かなりきれいです。写りはけっこう凄い実力の持ち主のようです。

 SONY α7+AUTO ROKKOR-PF 55mm F1.8

「見た目はふつうだが実は凄いレンズ」という感じです。
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目立たない優等生広角レンズ Minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=35mm

2018-07-15 23:41:42 | MC,MD mount by MINOLTA
ミノルタのMF広角レンズ、MC W.ROKKOR 1:2.8 f=35mmです。MC時代の35mm広角レンズは、ローレットの材質や最短撮影距離違いなど何種類かあるようです。これはMCとしては比較的後期のもののようです。
 

   レンズ構成  6群7枚
   最短撮影距離 0.3m
   重量     222g
   フィルター径 55mm

写りは、ごくごく普通で、癖のないレンズです。


目立たない優等生レンズですね。

  SONY α7+Minolta MC W.ROKKOR 1:2.8 f=35mm
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バブルボケレンズ日本代表  MINOLTA MC ROKKOR-PF 58mm F1.4

2018-02-19 23:20:13 | MC,MD mount by MINOLTA
ミノルタのMF時代、SRマウントの標準レンズ。レンズ名にあるPFとは5群6枚を表す記号です。金属製距離環がローレット加工されたレトロな姿のレンズ。持ってみるとずっしりとした重量感があります。いかにもガラスが詰まっているという感じです。


レンズ構成 5群6枚
最短撮影距離 0.6m
フィルター径 55mm
重量 276g

私が入手した個体はジャンクで、絞り環を動かしても解放F値になったままです。このレンズの特徴は開放F値で顕著に発現しますので、この状態でも十分楽しむことが出来そうです。1960年代の開放F値1.4の一眼レフ用の標準レンズですので、後の時代よりは焦点距離が若干長い58mmとなっています。
MF時代のミノルタの1.4の標準レンズは、開放F値では後ろボケが二線ボケになりやすい傾向があるようです。このMC58/1.4はその中でも、条件によってはかなり強く二線ボケが出ます。




さらに点光源が入り、条件がそろうと立派なバブルボケが発生します。さしずめバブルレンズ日本代表というところでしょうか。

SONY α7+MC ROKKOR-PF 58mm F1.4

なかなか個性の強い、面白いレンズです。もっと注目されてもよいレンズかもしれません。
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滲む大口径レンズ ~MD ROKKOR 1:1.4 f=50mm

2015-01-18 22:43:47 | MC,MD mount by MINOLTA
   MF時代の50mmF1.4クラスの大口径レンズは、解放F値ではけっこう滲みます。
   陽だまりの中で少し逆光気味で撮影してみました。
  
     Lumix G2+MD ROKKOR 1:1.4 f=50mm
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クセの少ないトリプレットレンズ ~ROKKOR TC 1:4 f=100mm

2014-08-10 15:01:57 | MC,MD mount by MINOLTA
今年になってジャンクのROKKOR TC 1:4 f=100mmを入手しました。3群3枚のトリプレットタイプのレンズです。

   

     ROKKOR TC 1:4 f=100mm
       レンズ構成 3群3枚
       最短撮影距離 1.2m
       フィルター径 46mm

TC 1:4 f=135mmはたまに見かけるのですが、100mmは珍しいので状態をあまり確認せずに買ってしまいました。買ってからよく見ると絞りの開閉がおかしいようです。何度もガチャガチャ動かしているうちに、ついに絞り羽根が外れてしまいました。

レンズ内もカビと汚れがあるので分解するしかありません。まず先頭側から、化粧板のカニ目を回して取ると1枚目のレンズがすぐ外れます。さらにカニ目を回すと2枚目も外れて絞りに到達します。

絞りが外れているのをピンセットで直そうとしましたが、絞りに油が回って固着していて、なかなか難航しました。マウント側からもトライするが、3枚目レンズの外し方が分からず断念。上からベンジンを染みこませたが固着は取れません。最後は半ば強引に強力な溶剤をたらしたら少し動くようになりましたが、まだ元の位置に戻せません。こうしているうちに、ついに絞りが折れ曲がってしてしまいました。これ以上は無理です。絞り羽根を全部摘出してしまい、結局開放のみで使うことにしました。

さて、トリプレットは開放絞りで面白い描写になりますので、楽しみにしていましたが、クセのない柔らかい描写をしています。最短撮影距離付近では、後ろボケもきれいです。


遠景の場合はしっかり写ってくれます。
   
     いずれも NEX-5+ROKKOR TC 1:4 f=100mm

 <分解と改造は自己責任でお願いします>
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MD W.ROKKOR 28mm 1: 3.5

2012-10-28 17:33:41 | MC,MD mount by MINOLTA
ミノルタのマニュアルフォーカス時代の広角レンズ MD W.ROKKOR 28mm 1:3.5です。
以前に紹介したMD W.ROKKOR 28mm 1:2.8の明るさ違いです。


 レンズ構成 5群5枚
 フィルター径 49mm
 最短撮影距離 0.3m
 重量 165g

MD 28mm 1:2.8も小さいレンズでしたが、こちらはさらに軽量・コンパクトです
  

ミノルタのMF時代のレンズは比較的安く手に入るのですが、このレンズもレンズがきれいなわりには、ずいぶんと格安で手に入れることができました。
MD 28mm 1:2.8と同様に発色がなかなか良いような気がします。


解放F値が3.5ですのでボケは大きくありませんが、この程度はボケます。

 いずれも NEX-5+MD W.ROKKOR 28mm 1:3.5
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MC MACRO ROKKOR-QF 1:3.5 f=50mm

2012-02-12 22:39:54 | MC,MD mount by MINOLTA
MFのマクロレンズ、MC MACRO ROKKOR-QF 1:3.5 f=50mmです


 レンズ構成 4群6枚
 フィルター径 55mm
 最短撮影距離 0.24m
 重量 365g
 1:2までのマクロレンズです。専用中間リングも付属していました。

さて、写りのほうは


最短撮影距離では、こんなぼけ味


もちろん、普通に撮影すれば、こんなにしっかり写ります


絞り解放でも破綻することもありません。さすがマクロレンズ

 いずれも NEX-5+MC MACRO ROKKOR-QF 1:3.5 f=50mm
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夕焼け ~MD ROKKOR 1:1.4 f=50mm

2012-01-22 22:13:32 | MC,MD mount by MINOLTA
MD ROKKOR 1:1.4 f=50mmは絞れば、くっきりすっきりした絵になります

 NEX-5+MD ROKKOR 1:1.4 f=50mm
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MD W.ROKKOR 28mm 1:2.8

2012-01-21 22:17:40 | MC,MD mount by MINOLTA
今回は、ミノルタのマニュアルフォーカス時代の広角レンズ MD W.ROKKOR 28mm 1:2.8です。


 レンズ構成 7群7枚
 フィルター径 49mm
 最短撮影距離 0.3m
 重量 205g

 なかなかコンパクトなレンズです。
 

   APS-Cフォーマットでは、35ミリ銀塩フィルムカメラ換算で約42mm相当の画角となります。
   

発色もなかなかです。ミノルタのMDレンズは青色が綺麗に出るような印象があります。


開放F値で最短撮影距離にすると、バックがこれくらいボケます。

 いずれも NEX-5+MD W.ROKKOR 28mm 1:2.8
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MD ROKKOR 1:1.4 f=50mm (撮影編)

2012-01-02 23:19:14 | MC,MD mount by MINOLTA
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

さて、2012年の最初は、年またぎのMD ROKKOR 1:1.4 f=50mm、今回は撮影編です。
分解掃除をしたMD ROKKOR 1:1.4 f=50mmですが、さっそく撮影してみました。

   まずは、F2.8での撮影。画面の奥からトトロが覗いています。
  

   開放F値での後ボケは、比較的おとなしい感じです。
  

こんなシーンで開放F値にすると滲みます。

 いずれも NEX-5+MD ROKKOR 1:1.4 f=50mm

開放F値では滲みが出ますが、少し絞ると急にキリッとした画面になります。
この時代の大口径標準レンズは、使っていて楽しいですね。
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