十二人の娘/ものぐさ成功記 タイの民話/森 幹雄・編訳/筑摩書房/1980年初版
ヨーロッパの昔話では、長い話も紹介されているが、アジアのものではあまりふれることが多くなかった。
このタイの昔話にはいろいろなパターンが詰まっている。
出だしは、子どもにめぐまれない長者。
(子どもにめぐまれない夫婦という出だしは、一つのパターン)
しかし、長者がバナナを十二本頭にのせて、ほとけさまにお供えすると、長者の願いはかなえられ、なんと十二人もの女の子にめぐまれる。
子どもが多すぎて、長者は貧しくなり、娘たちを森の奥深くに置き去りにしてしまう。
(捨てられるところからはじまるのも昔話らしい)
十二人の娘たちがたどりついたのは人間を食べてしまう魔女の家。
逃げ出す娘たち。追いかける魔女。
娘たちは、はじめにゾウのはらの中に入り込み、次にウマ、ウシのおなかのなかにはいりこんでなんとか魔女から逃げ出します。
娘たちが池のそばの木によじのぼり枝に座って疲れをいやしていると、王様の命令で黄金の水がめをもったせむし娘が、水汲みにやってくる。
すると池の水が美しく光り輝く。この輝きは自分のからだから出ているにちがいないと思ったせむし娘は、美しい自分がどうして水汲みをしなくてはならないと黄金のみずがめをたたき割ってしまう。王様は銀の水がめをせむし娘にもたせるが、娘はこの銀の水がめを割ってしまう。
王様は三度目に皮の水がめを娘にもたせるが、皮の水がめはこわそうにもこわれない。せむし娘は根負けして水を汲んでひきあげようとした。
これを木の上に座ってみていた美しく目もまばゆいばかりに光り輝いている十二人の娘がこらえきれずに笑い出すと、それを見たせむし娘が、見たことを王様に報告する。
ここで十二人は王様のお妃に。
ところが面白くないのは魔女。十二人がお妃になったのをみて、美しい娘に変身して王様の妃になることに成功します。
ここで、変身した魔女は十二人を追い出そうと、仮病をつかい、この病は、十二人の目玉を取り出してくれないと治らないといい、十二人の目玉をくりぬき、洞窟に閉じ込める。
一番末の娘は、この洞窟で男の子を産み落とす。
りっぱな若者に成長した男の子は旅にでることに。
そして、無理やりさそわれた闘鶏で勝ち続け、十二袋のコメを手に入れて洞窟の母親たちのもとに運ぶ。
闘鶏の名人とうわされるようになった若者は、王様とも勝負するがここでも勝ち続ける。王様は若者にいろいろ尋ねると、自分の息子だったことにきずく。
このお話は、ここまでで半分。
目玉をとりもどすまでまだまだ長い。
天をかける馬が、森や風、火、雨、雲をよびだす魔法の薬がでてくる。
さらに手紙を持参したものを殺せと書いてある手紙の書き換えがあって、若者と魔女の娘が結婚するなど
次から次へと話が展開する。
こんなに長い話がどのようなところで、話されたのか興味があるところ。
アラビアンナイトの世界が、身近なところにもあるようです。
しかし、なぜ十二人の娘なのでしょうか。何か意味のある数字でしょうか。