どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

紅葉の頃

2015年09月03日 | 安房直子

    紅葉の頃/安房直子コレクション7 めぐる季節の話/偕成社/2004年/1993年初出


 8月前半の猛暑から後半は雨、くもりの日が続き、なんとなくすっきりしない日々。

 季節は秋に。秋は紅葉の季節。

 紅葉は紅葉の精が、山のはたのある家にいっせいにはいりこんで、峠の紅葉、谷の紅葉、ふもとの紅葉を織ります。

 峠の紅葉は、赤や黄色になってみんな、こぼれてゆくよ。紅葉はわらいながら、こぼれてゆくよ。それから谷に落ちて、またわらいながら、流れてゆくよ。

  安房作品は音が聞こえ、色がはっきりしたイメージであるが、どれもギラギラしたものではなく、落ち着いたもの。
 そして季節もギラギラの太陽の下ではなく、秋とか冬、そして息吹を感じさせてくれる春がふさわしいようだ。

 この話を読んで、紅葉のイメージがふくらむ。

 この機織り機はいずれも古くなって、いまはあまり使われていないもの。小屋の片隅にひっそりおかれた機織りへの愛着も感じられた。

 川に流れてきた紅葉の裏側には、山のうさぎの手紙が書いてあるのですが、どんな内容でしょうか。