どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

花と最終電車

2015年09月12日 | あまんきみこ

     花と最終電車/あまんきみこセレクション4 冬のおはなし/三省堂/2009年


 小学校の国語教科書にのっているというので、あまんきみこさんの童話を読み始めました。

 どれも優しさがあふれていますが、このお話も優しい。

 多くの花が土の中にねむっているのに、一つだけ咲いていた青い花。
 冷たい雨に打たれてふるえている花をみて、みっこちゃんは花のそばに穴をほり、そこに傘をさしてあげます。

 雨の音が強くなって、心配になったみっこちゃんは花をみにでかけます。
 すると青い短い服をきた女の子とあいます。
 青い花の精です。
 素敵な家で二人で遊んでいると、遠くから電車が走ってくるようなひびきがおこります。

 みっこちゃんがたずねると、女の子は、「あれが今年の最終電車なのよと」とこたえます。
 女の子が電車にのって電車が走り始めると、レールは氷のとけるように、みるみるうちにきえていきます。

 線路がみるみるうちに消えていくところで、不思議な世界に入っていくようです。

 花が電車にのって、きえていくというイメージは、作者の感性なのでしょう。