花と最終電車/あまんきみこセレクション4 冬のおはなし/三省堂/2009年
小学校の国語教科書にのっているというので、あまんきみこさんの童話を読み始めました。
どれも優しさがあふれていますが、このお話も優しい。
多くの花が土の中にねむっているのに、一つだけ咲いていた青い花。
冷たい雨に打たれてふるえている花をみて、みっこちゃんは花のそばに穴をほり、そこに傘をさしてあげます。
雨の音が強くなって、心配になったみっこちゃんは花をみにでかけます。
すると青い短い服をきた女の子とあいます。
青い花の精です。
素敵な家で二人で遊んでいると、遠くから電車が走ってくるようなひびきがおこります。
みっこちゃんがたずねると、女の子は、「あれが今年の最終電車なのよと」とこたえます。
女の子が電車にのって電車が走り始めると、レールは氷のとけるように、みるみるうちにきえていきます。
線路がみるみるうちに消えていくところで、不思議な世界に入っていくようです。
花が電車にのって、きえていくというイメージは、作者の感性なのでしょう。