どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

善人と悪人・・アメリカ

2015年09月21日 | 昔話(北アメリカ)

   善人と悪人/オクスフォード 世界の民話と伝説3 アメリカ編/渡辺 茂雄・訳/講談社/1978年改訂


 悪人と善人とわかりやすいタイトル。

 こんな話だと悪人が金持ちで、善人が貧乏というのが相場だが、この話では両者とも金持ち。

 二人のちがいは、どれいのあつかい。悪人はどれいたちをむちでたたいたり、たべものをろくにたべさせなかったりとひどいしうちをする。

 善人はそれと正反対。

 この二人がどれいのあつかいはどちらが正しいか、三者に聞いて、正しかったほうが、全部の財産をいただくことにする。はじめは若い男、次には中年の男、次に年寄りにあって、意見を聞くが、どちらも悪人の考えを支持する。このため善人の財産は全部悪人のものになる。

 このパターンの昔話では、三番目が善人の言い分をきいておわりになるのが普通だが、この話ではここまででまだ前半。

 じつは意見を聞いた男は、三人とも悪魔がばけていたもの。
 善人はばかばかしいかけで、全財産をなくしたので、仕事をさがすため歩き始める。
 途中、あばら家を見つけ、そこで寝ていると、悪魔がやってきて、おしゃべりをはじめる。

 一人の悪魔は、川のみなもとを石でふさぎ、そのため町の人はひいひいしているのを自慢する。
 もう一人の悪魔は、酋長の娘を病気にしたことの自慢。

 二人の悪魔は、その解決方法も話したので、それを聞いた善人がでかけていって、問題を解決し、たくさんの財産をもらうことに。

 最後は悪人も恩恵を得ようとするが、悪魔につかまってしまう。

 後半は、日本の聞耳頭巾ににている。

 奴隷や酋長の娘がでてきて、いかにもアメリカらしい話。

 しかし、悪人と善人というのは直接的であまり感心はできない。