どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

山のつなひき

2019年02月05日 | 絵本(昔話・日本)


     山のつなひき/再話・花島美紀子 絵・藤川秀之/新世研/2002年


 山形の小さな村に二つの山がありました。たくさんの木が茂り、深い森の黒ぶし山、山の中に水晶をふくんでいる水しょう山です。

 ところが、この二つの山はなかが悪く、地響きや強い風を起こし、村人は大変迷惑していました。

 ある春の日、またけんかがはじまり、なかなかおさまりそうにありません。
 そこで村人は、二つの山の真ん中にある小さな山に相談することにしました。

 小さな山の知恵で、村人は藁でおおきなおおきな縄をつくり、両方の山にいって、綱引きをもちかけます。

 のぞむところだと、二つの山は綱引きをはじめますが・・・。

 山が動くわけがないのですが、擬人化されていて、本当に綱ひきしているようです。

 農業は自然が相手。日照りや冷害があったりと、いつもうまくいくとは限りません。そんな背景がうかがわれる話です。

 作者が生まれた土地の昔話を再話していて、山形県東根が舞台です。