山のつなひき/再話・花島美紀子 絵・藤川秀之/新世研/2002年
山形の小さな村に二つの山がありました。たくさんの木が茂り、深い森の黒ぶし山、山の中に水晶をふくんでいる水しょう山です。
ところが、この二つの山はなかが悪く、地響きや強い風を起こし、村人は大変迷惑していました。
ある春の日、またけんかがはじまり、なかなかおさまりそうにありません。
そこで村人は、二つの山の真ん中にある小さな山に相談することにしました。
小さな山の知恵で、村人は藁でおおきなおおきな縄をつくり、両方の山にいって、綱引きをもちかけます。
のぞむところだと、二つの山は綱引きをはじめますが・・・。
山が動くわけがないのですが、擬人化されていて、本当に綱ひきしているようです。
農業は自然が相手。日照りや冷害があったりと、いつもうまくいくとは限りません。そんな背景がうかがわれる話です。
作者が生まれた土地の昔話を再話していて、山形県東根が舞台です。