いまに語りつぐ日本民話集11/笑い話・世間話/野村純一・松谷みよ子・監修/作品社/2002年
この民話集には語り手の方のお名前があります。
大変みじかい昔話ばかりで、たいてい二分ぐらいでおさまりそうなもの。
囲炉裏やこたつで話されたものの原点は、こうした内容ではなかったかと思います。
「能登の文六」も、力自慢で相撲とるのが大好きな文六が、天狗様に相撲を取ろうといわれますが、いつも文六が勝ちになります。というのも、文六はいつも毎朝、神様や仏様さまにご飯をあげていたのです。
ところが、その日に限って、なにもあげないで、天狗様と相撲をとると、負けただけではなく、木の股に裂かれてつるされてしまいます。
だからどこにおっても、神様や仏様は大事にせにゃいかんというおしえ。
「いたいっ!」が うんだ 大発明/バリー・ウィッテンシュタイン・文 クリス・スー・絵 こだま ともこ・訳/光村教育図書/2018年
アメリカの絵本には、実在の人物のエピソードを絵本にしているものも多く、この絵本も「バンドエイド」を考えたアール・デイクスンが主人公です。
一ページ目にいきなりアールさんがジョセフィーヌさんと結婚し、しあわせにくらしました。「おしまい」とおどろかします。
このあとも「おしまい」が途中にも何回かでてきて、おしまいにならないストーリーが展開していきます。
バンドエイドは、ジョセフィーヌさんが、ぶきっちょで、たまねぎをきるとき指先を切ったり、チーズのかわりに手をおろしたり、鍋でやけどしたりするとタオルを手にあてるのですが、なんとかならないかと必死に考えたものでした。
さいしょのバンドエイドは、長さ50センチ、はな10センチ。おおきすぎてとても売れそうにない大きさ。何年かたっていまの大きさに。
それから飛ぶように売れたかというと、なかなか売れず、みんなにしってもらうよう子どもたちにプレゼント。それからは広く受け入れられるように。1920年代後半です。
バンドエイドはちょっとした傷口に便利ですが、新婚のおくさんのぶきっちょさがなければ、バンドエイドはうまれなかったというのも微笑ましい。
バンドエイドは飛行士が宇宙にももっていったようですが、宇宙空間で傷をつけるというのはあるでしょうか。