どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

トルーシー・トルトルとトラ

2019年02月27日 | 絵本(外国)


   トルーシー・トルトルとトラ/ヘレン・スティーヴンズ・作 ふしみ みさを・訳/BL出版/2016年


 「トルーシー・トルトル」と「トラ」。語呂合わせ?

 トルーシー・トルトルはとてもしっかりした女の子。いつも大泥棒のパパに「どろぼうはダメ」といいますが、パパはわっははっとわらうだけ。

 ある日、パパとトルーシーは動物園にいきます。
 「もし泥棒したら、飼育係さんに頼んで、トラにおしおきもらうからね!」

 でも、パパは、トルーシーがうしろむいているあいだ、ペンギンからは魚、あかちゃんからガラガラ、ヘビからたまご、おばあさんから帽子、飼育係さんから鍵を一本、ゾウからはおやつのカップケーキを盗みました。

 パパをじろっとみていたのはトラ。

 トルーシーは、パパが盗んだものを、ふくろからだして、もちぬしにかえしにいきますが、これはわたしのじゃないよといわれてしまいます。どうも持ち主と一致しません。

 最後に残った鍵を、持ち主がとおったらわかるように、鍵をフックにかけて、トラの檻にかけておきます。
 するとトラは、にーっかとわらい、鍵で檻をあけ・・・。

 大泥棒が、あかちゃんのガラガらを盗んでどうするのと、突っ込みたくなりますが、でも盗みは盗み。

 主役はトルーシーで、パパは引き立て役。トラもパパの更生を見事にやりとげます。

 動物園は、人間が動物をみるところとおもっていると、じつは、動物が人間を観察しているところかも。

 コミカルで、楽しい気分になれる絵本です。