トルーシー・トルトルとトラ/ヘレン・スティーヴンズ・作 ふしみ みさを・訳/BL出版/2016年
「トルーシー・トルトル」と「トラ」。語呂合わせ?
トルーシー・トルトルはとてもしっかりした女の子。いつも大泥棒のパパに「どろぼうはダメ」といいますが、パパはわっははっとわらうだけ。
ある日、パパとトルーシーは動物園にいきます。
「もし泥棒したら、飼育係さんに頼んで、トラにおしおきもらうからね!」
でも、パパは、トルーシーがうしろむいているあいだ、ペンギンからは魚、あかちゃんからガラガラ、ヘビからたまご、おばあさんから帽子、飼育係さんから鍵を一本、ゾウからはおやつのカップケーキを盗みました。
パパをじろっとみていたのはトラ。
トルーシーは、パパが盗んだものを、ふくろからだして、もちぬしにかえしにいきますが、これはわたしのじゃないよといわれてしまいます。どうも持ち主と一致しません。
最後に残った鍵を、持ち主がとおったらわかるように、鍵をフックにかけて、トラの檻にかけておきます。
するとトラは、にーっかとわらい、鍵で檻をあけ・・・。
大泥棒が、あかちゃんのガラガらを盗んでどうするのと、突っ込みたくなりますが、でも盗みは盗み。
主役はトルーシーで、パパは引き立て役。トラもパパの更生を見事にやりとげます。
動物園は、人間が動物をみるところとおもっていると、じつは、動物が人間を観察しているところかも。
コミカルで、楽しい気分になれる絵本です。