金の鳥/八百板洋子・文 さかたきよこ・絵/BL出版/2018年
類話も多い昔話の定番のパターンです。
ある城に金のりんごがなる不思議な木がありました。毎日昼に花が咲き、夕方には実をつけ、夜の間にあまくうれていました。ところが、ある朝、王さまが庭にでてみると金のりんごはひとつもありません。そこで、王さまは三人の王子に、夜の間、りんごの見張りを命じます。
上の二人は、夜の間、眠ってしまいます。末の王子は、飛んできた金の鳥に矢をはなちますが、矢は羽根を一枚うち落としただけでした。
次の日、末の王子が金色の羽を王さまにさしだすと、王さまは金の鳥をさがすように三人の王子にいいます。
三人の王子は旅に出ますが、上の二人の王子は、末の王子をおいてどんどん先に行ってしまいます。
末の王子は、道中で出会ったおなかをすかせた白いひげのおじいさんにパンをわけてやり、旅に出た理由を話し、おじいさんと金の鳥がいるまちに着きます。
門番がねていて、金の鳥はもってきてよいが、鳥かごまではもってきていけないと忠告されますが、鳥かご手にもつと、城中に音がなりひびき、その城の王さまにつかまってしまいます。
そこの王さまは、話をきくと、もし空を飛ぶ馬をつかまえてきたら、金の鳥とむすめもつかわそうといいます。失敗した代償は命。
また、おじいさんのところへもどった末の王子は、空を飛ぶ馬のいる町につきます。門番がねむっているあいだに、馬の金のくさりをはずし、おじいさんのもとへもどります。金の鎖をはずさないと、また音がひびいたのかも。二度目は金という誘惑にまどわされなかった王子です。
おじいさんと別れ、空飛ぶ馬に乗って、金の鳥のいる町にかえった末の王子は、金の鳥とお姫さまと自分の国にかえることになりました。
森の中にあった小さな宿屋には、上の二人の兄が。二人は、末の王子を木にしばりつけ、金の鳥とお姫さまをつれて、国にもどります。王さまは旅に出るときに約束したように、国の半分づつをゆずることにし、一番上の王子とおひめさまと婚礼のしたくがはじめられます。
木にしばりつけられていた王子は、運よくとおりかかったヤギ飼に助けられると、着ていたものをとりかえ、みすぼらしい身なりでお城にもどります。
お姫さまは、婚礼にはクルミのからにはいっている花よめ衣裳を着たいと王さまに頼み・・・。
人物が人形のようで、王さまは、まるで巨人のように描かれています。
三人の王子が出てきて、末の王子が活躍する。折角の忠告をききいれなかった末の王子を二度もたすけてくれる白いひげのおじいさんも、出番はすくないが昔話にはかかせない存在。
金のりんごは、どんなあじ?
金の空飛ぶ馬(ペガサス)はギリシャ神話にでてくる伝説の生物。鳥の翼をもちます。