どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ゆきとどいた生活

2019年10月28日 | 星 新一

      ゆきとどいた生活/星新一YAセレクション/和田誠・絵/理論社/2008年

 

 生活のすべてが、自動化された未来。

 朝になると、音楽がわき、大輪の花弁のような銀色のスピーカーから、目覚ましコール。

 マジックハンドのようなものが、テール氏を抱き起し、浴室へ。シャワーも自動。その間に洗濯も。

 服もきせてくれ、朝食も自動的にでてくるので、テール氏がやることはない。

 会社へは、都市のいたるところにはりめぐらされたパイプをとおって出勤です。

 テール氏の乗り物がパイプ道路をとおって、会社につくと、他の社員が「おはよう。テール君。どうしたんだい、ばかに顔色が悪いじゃないか」と、声を掛けます。しかし反応がありません。医者にみせると、「テール氏は前から心臓が弱かったので、その発作を起こしたのです」「いつでしょうか」「そうですね。死後、約十時間ですから、昨晩というところでしょう」。

 未来も会社に出勤するというのがあるのでしょうか。やはり、出勤しないと死んだのがわからないので、これからも会社に通う必要がありか?

 途中まで、おお便利な生活と感心していると、オチで背筋が寒くなります。


ぼくの ねこは どこ?

2019年10月28日 | 絵本(外国)

    ぼくのねこはどこ?/ヘンリー・コール/岩崎書店/2017年

 

 訳者のかたのお名前がありません。それもそのはず、最初から最後まで文字が一切ありません。

 ねこがいつの間にか外へいってしまいます。

 小さな男の子が、ねこをさがしに街へ。男の子、まよいねこの張り紙を、電柱、バス停などあちこちはります。

 街の風景は線画で、ところどころの空が青ですが、それ以外は色がありません。最近の絵本ですが、めずらしい。

 街を俯瞰したり、建物の高さのそろった街並み、観光船がとおる川、公園、市場、博物館、壮大なアーチ式の柱が特長の駅が丁寧に描かれています。

 男の子がしょんぼり家に帰ると、まどには、ねこが・・。

 各ページに、さがしているねこがいますが、さがすのはちょっと大変。子ども方がすぐにみつけるかもしれません。