どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ぶん ぶん ぶるるん

2019年10月23日 | 絵本(外国)

    ぶん ぶん ぶるるん/バイロン・バートン・作 てじまゆうすけ・訳/ほるぷ出版/1975年(2018年改訂新版) 

 

 ミツバチが雄牛のお尻をちくり

 おかげで牝牛はごきげんななめ。ミルク絞りのおばさんを ミルクと一緒にけとばし

 おばさんは、おじさんに やつあたり。

 おじさんは ラバのお尻をひっぱたたき

 つぎつぎにやつあたりして、ことりが ミツバチをみつけて とびかかると

 ミツバチは ぶーんと 逃げ出して、また おうしの おしりに。

 最後のページは、最初のページと同じです。

 なにが原因かわからず、急に つきとばされたり、かみつかれたりしたら そりゃ びっくりです。八つ当たりの連鎖。どこかでだれかが おさえられたらよかったのに!

 すっきりした色合いで見やすい絵本です。


ぬすまれた月

2019年10月23日 | 絵本(日本)

ぬすまれた月

    盗まれた月/和田誠/岩崎書店/2017年(1963年復刻版) 

 楽しませていただいていた和田誠さんが亡くなられたというニュースがながれていました。今後新しい作品がみれないという実感がわきません。しかし多くの絵本などを残してくれていることに感謝です。

 「ぬすまれた月」は和田さんが20代のころ、1963年に発行されています。

 それから54年たって、製本、用紙、文字、色味、等、なるべく当時の風合いを再現して復刊したものとありました。

 ある男が夜空から月をぬすみ、毎日変わる形を見て楽しんでいましたが、ある日、泥棒にぬすまれてしまいます。泥棒が箱をあけてみると、箱はからっぽ。泥棒は箱をすててしまいます。

 じつは、新月で月はみえなかったのです。

 このあたりから、満月、日食、月食と月、地球、太陽の関係がわかりやすく説明されています。

 それから月の誕生や潮の満ち引きも。

 ここからすてられた月の続きがはじまります。泥棒が捨てた箱をみつけたのはひとりの女の人。三日月だったので、女の人は、竪琴をこしらえました。素敵な音、歌で、女の人と音楽は大評判。 ところが演奏旅行に船に乗ると、竪琴はすっかりだめになっていて、女の人はヒステリーをおこして海に投げ込んでしまいます。

 月が再び出てきたのは魚の中。二つの国の二つの船が同時にいっぴきのさかなをつりあげ、公平をきすため半分にきったときのことでした。

 二つの国はお互いに自分のものと主張しあいますが、とりあえず、ふたつの国のまんなかにおかれ、兵隊が相手をみはっていました。いつ戦争になるかわからない状況。

 ここで子どもたちが相談して、とっときの方法を考えます。月を気球にのせ、小鳥に空に返すようにおねがいしたのでした。

 それにしても一ページ一ページの厚さ。いつもみている絵本の三倍ほどの厚さでしょうか。

 古来から人間が見上げてきた月。さまざまな空想がありました。さまざまな物語を紡いできました。科学で解明していくのもありでしょうが、すこし夢ものこしてほしいと願うところです。