長崎のむかし話/長崎県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1978年
知恵者の勘作話。大村藩と諫早藩がでてくるので江戸時代以降の話でしょうか。
大村藩と諫早藩の境のところに、庭石に使うような立派な大理石があって、二つの藩が領有権を主張していた。
連れてこられた勘作さんが、「そら、諫早藩に三文でうち売れ」というと、ぐずぐずすると値上げされると思ったのか そりゃ安いと、諫早藩の者が買うことにきめます。
ところが勘作さんは、大理石は大村藩のものだという。
勘作さんの言い分は「たとえ、一文で売るといわれても、自分の物を買うもんは、一人もいない。買うといったのは自分の物でないということ」。
諫早藩の者は、だれひとり、なんともいえなかったと。
国と国とで 土地をめぐって領有権を争い、戦争になるケースが絶えない。もう少し穏やかにいかないものか?