どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

庭石さいばん・・長崎

2021年09月05日 | 昔話(九州・沖縄)

         長崎のむかし話/長崎県小学校教育研究会国語部会編/日本標準/1978年

 

 知恵者の勘作話。大村藩と諫早藩がでてくるので江戸時代以降の話でしょうか。

 

 大村藩と諫早藩の境のところに、庭石に使うような立派な大理石があって、二つの藩が領有権を主張していた。

 連れてこられた勘作さんが、「そら、諫早藩に三文でうち売れ」というと、ぐずぐずすると値上げされると思ったのか そりゃ安いと、諫早藩の者が買うことにきめます。

 ところが勘作さんは、大理石は大村藩のものだという。

 勘作さんの言い分は「たとえ、一文で売るといわれても、自分の物を買うもんは、一人もいない。買うといったのは自分の物でないということ」。

 諫早藩の者は、だれひとり、なんともいえなかったと。

 

 国と国とで 土地をめぐって領有権を争い、戦争になるケースが絶えない。もう少し穏やかにいかないものか?