どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

きんぴらたろう

2021年09月12日 | 紙芝居

     きんぴらたろう/仲倉眉子・作 ひらのてつお・画/教育画劇/2009年

 

 たろうは村一番の力持ちで、村一番の食いしん坊。牛が暴れたり逃げ出すと力を貸していました。

 この村の畑に、毎日いもを盗みに来る鬼がいました。村人から鬼退治をしてくれるよう頼まれ、ごはんときんぴらごぼうをいっぱいいれた鍋を馬に積んで鬼退治にでかけたたろう。

 なかなか鬼が出てこないので、座り込んでごはんを食べていると ポリポリ サクサクサクという音を聞きつけてやってきました。

 とっくみあいになって、たろうは 投げ出されそうになりました。そのとき おばあさんの 言葉を思い出し、奥歯をぐっとかみしめると、おなかに力がはいって、鬼を頭の上にもちあげてしまいました。鬼はたろうの ちからに びっくり。

 それから たろうは「しろいきもので ならんでて かたい ものでも こなごなに あまくないものも あまくして つよい子を そだてるもの なーに?」
と、なぞなぞをだしました。

 たろうは、降参した鬼に「こたえは 歯だよ」「よくかむと なんでも あまくて おいしくなるし、えいようになって、からだも つよくなるんだよ」と、きんぴらごぼうを食べさせます。(おばあさんの受け売り)

 鬼は 「やきいもしか くわないから、かまわずに のみこんでたんだな」と、反省し、山奥で自分の畑を耕して暮らし、村のものに 手をつけなくなりました。

 よくかむことの大切さが、楽しみながら すんなりはいってきます。「よくかんで」「よくかんで」といわれるだけでは、なかなか身につきません。

 たろう、牛、鬼も かわいらしさいっぱいです。