どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

どうして カは みみのそばで ぶんぶんいうの?

2021年09月17日 | 絵本(昔話・外国)

     どうして カは みみのそばで ぶんぶんいうの?/ヴェルナ・アールデマ・文 レオ・ディロン ダイアン・ディロン やぎたよしこ・訳/ほるぷ出版/1978年

 

 西アフリカの昔話をもとに、アメリカのかたが書かれたもの。

 毎日おひさまをおこすのは かあさんフクロウのやくめでした。ところが ある日から かあさんフクロウが、おひさまをおこさず 夜がいつまでもいつまでもつづきました。

 おうさまライオンは、動物会議をひらき、原因を追究します。

 かあさんフクロウが「サルが、わたしの こどもを 一羽、ころしました。ですから、どうしても おひさまを おこすきもちに なれません」というので、サルを といつめます。

 サルは「カラスが わるいんです。あいつは、なんども、なんども ないて、危険を知らせました。わたしは、カラスの てつだいを しようと、木から木へ はねていきました。わたしが さわった 枝が折れ、ふくろうの巣の上に、たーっと 落ちました。」といいます。

 カラスは、ウサギがわるい、ウサギはニシキヘビがわるい、にしきへびはイグワナが わるいといいます。

 イグワナは「カの やつが、あんまりひどい うそをつくもんだから がまんができず カの声が 聞こえないよう、耳に 木の枝で 栓を したんだ」といいます。

 かあさんフクロウが、「カを こらしめろ! カを こらしめろ!」という動物たちの叫び声を聞いて きがすみ 顔を ひがしにむけて「ホー、ホーオオ、ホーオオオオ!」となくと、おひさまが のぼってきました。

 カは、藪のなかにかくれていて だれにも みつからずにいました。でも、カは、きがとがめているのです。いまでも、カは あたりを とびまわり、人間の耳に「ブーン! まだ みんな、あたしの ことを おこっている?」と ささやいています。そして その返事は?

 

 動物たちの描き方が独特です。

 動物会議のとき、前段で展開したのが、もういちど繰り返えされるので、やや冗長でしょうか。

 動物たちの動きを「めく、めく、めく」「わさうす、わさうし、わさうし「くりっく、くりっく」などと表現していますが、しっくりしませんでした。

 また”つんぼ”という表現がでてきますが、今はあまり使われない表現。2002年の15刷ですが、このあと版を重ねた際に訂正されたのでしょうか。