どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

キジムナーにあったサンラー

2021年09月01日 | 紙芝居(昔話)

    キジムナーにあったサンラー/脚本・さえぐさひろこ 絵・宮澤ナツ/童心社/2020年

 

 「沖縄の民話より」とありました。

 魚をとるのがへたなサンラーが、ある夜 ガジュマルの木にすむ妖精、キジムナーとであいます。

 キジムナーは「毎晩、大好物の魚の目玉を ぜんぶくれるなら手伝ってやる」といいます。

 その日から つぎからつぎへと魚がとれます。ところが昼は畑仕事で、夜、魚釣りしていて、サンラーはすっかりやつれてしまいます。

 キジムナーに 魚釣りをやめたいというと、キジムナーは顔を真っ赤にしておこりました。こまったサンラーは物知りのおばあさんに、相談しました。おばあさんは、キムジナーは、おひさまの光と 人のおならが 苦手だとおしえてくれました。

 そのひの夜、屋根にのぼったサンラーは コッコッ コケコッコーと、にわとりの なきごえで キジムナーを追い払おうとしますが、屋根のうえを見たキジムナーは、まだ夜が明けていないことにきがつき、はしごをのぼってきました。そのときサンラーの おならが ブーッと かってに でてしまって キジムナーも おおあわて。地面に落ちてしりもちを ついてしまいます。

 「おならが かってに でてしまってなあ」とあやまるサンラーに、「おまえの おならは 臭すぎる。もし、毎晩そばで されたら たまらんぞ」というと、ふたりはきゅうに おかしくなって、げらげらわらい、それからは 魚釣りは、ときどきすることに。

 サンラーは、毎日のように 芋を食べていて、おならがでても 不思議はなかったのです。二人の関係が とてもおおらかで ほどよい距離感もあります。