キジムナーにあったサンラー/脚本・さえぐさひろこ 絵・宮澤ナツ/童心社/2020年
「沖縄の民話より」とありました。
魚をとるのがへたなサンラーが、ある夜 ガジュマルの木にすむ妖精、キジムナーとであいます。
キジムナーは「毎晩、大好物の魚の目玉を ぜんぶくれるなら手伝ってやる」といいます。
その日から つぎからつぎへと魚がとれます。ところが昼は畑仕事で、夜、魚釣りしていて、サンラーはすっかりやつれてしまいます。
キジムナーに 魚釣りをやめたいというと、キジムナーは顔を真っ赤にしておこりました。こまったサンラーは物知りのおばあさんに、相談しました。おばあさんは、キムジナーは、おひさまの光と 人のおならが 苦手だとおしえてくれました。
そのひの夜、屋根にのぼったサンラーは コッコッ コケコッコーと、にわとりの なきごえで キジムナーを追い払おうとしますが、屋根のうえを見たキジムナーは、まだ夜が明けていないことにきがつき、はしごをのぼってきました。そのときサンラーの おならが ブーッと かってに でてしまって キジムナーも おおあわて。地面に落ちてしりもちを ついてしまいます。
「おならが かってに でてしまってなあ」とあやまるサンラーに、「おまえの おならは 臭すぎる。もし、毎晩そばで されたら たまらんぞ」というと、ふたりはきゅうに おかしくなって、げらげらわらい、それからは 魚釣りは、ときどきすることに。
サンラーは、毎日のように 芋を食べていて、おならがでても 不思議はなかったのです。二人の関係が とてもおおらかで ほどよい距離感もあります。