奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会/日本標準/1977年
姉は長者のよめ、妹は貧乏な炭焼きの家のよめ。
妹の方は、正月だといっても、もちつく金もないので、門松きってきて、姉のところにでかけました。
姉は門松はもうこうて、正月の準備でいそがしいと、取り合いません。
妹はしょうがないので、川の神さんに門松をあげようと川に放り込みます。すると、川の中から神さんのつかいというカメがのそのそでてきて、ネコをくれます。そのネコは金のくそをして、びんぼな妹は、だんだん金がたまってきました。
その話を聞いた姉が、ネコをかりだし、飯ようけくわしたら、ようけ金のくそをするにちがいないと、ようけ飯食わせます。ところがネコは死んでしまいます。
妹が死んだネコを裏山にほうむると、墓のところに木が一本はえてきて、だんだん大きくなると、その木に金の実がなり、妹は一生安楽に暮らし、姉の家はだんだんびんぼになってしもうたんやとい。
昔話の定番です。願望が反映したものでしょうか。