どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

おおかみのまゆげ

2021年09月18日 | 昔話(日本)

・おおかみのまゆげ(日本の民話6 土着の信仰/瀬川拓男・松谷みよ子・編/角川書店/1973年初版)

 貧乏人が、おおかみに食われて死んでしまったほうがいいと、おおかみのいる奥山へ。
 おおかみがやってきて、人の姿をしとっても、本性がそうでないものは食うが、お前のような真の人間は食えないという。

 おおかみは、自分のまゆげを一本引き抜いて、これをもっていれば ひもじいめにあうことはないといって、山の奥へ行ってしまう。

 食われるつもりで山に行って、おおかみから宝のまゆげをもらった貧乏人。
 帰る途中おおぜいの娘たちが田植えをしていたが、男がまゆげをかざしてみると、娘たちは蛇やむかで、猫やら鶏にみえる。

 真の人間とはめったにおるもんでないなあと思っていた男が、長者から家の跡継ぎになってくれといわれ、一生、ひもじい思いをしたことがなかった。

 おおかみのまゆげで、政治家をみるとどんな本性がみえるでしょうか。

 

・オオカミのまひげ(奈良のむかし話/奈良のむかし話研究会編/日本標準/1977年)

 おおかみから まひげを一本もらった男がお遍路になって四国88か所めぐりにでかけ、とめてもらったおばあさん、おばあさんをみると、牛に見えます。男は、こんな人間が、おおかみに食われるやろなと思たんやと。

 ”まひげ”に””まゆげ”という注釈がついています。

・(子どもに語る日本の昔話➀/稲田和子・筒井悦子/三省堂)では、おおかみが北、東、西からと順番にでてきて、西のおおかみから眉毛をもらうあたりが、いかにも昔話です。


・おおかみの眉毛(絵本)(松谷みよ子/大日本図書/1979年)

 松谷みよ子さんの絵本は、木こりの娘が主人公のようですが、残念ながら絶版のようです。


パンケーキをたべるサイなんていない?

2021年09月18日 | 絵本(外国)

     パンケーキをたべるサイなんていない?/文・アンナ・ケンプ 絵・サラ・オギルヴィー 訳・角野英子/BL出版/2011年

 

 「朝ご飯を食べていると、バスみたいにおおきくて むらさきいろのサイが、パンケーキを食べて、階段をのぼっていったの」

 ディジーがママにいったら「パパに言いなさい。きっと マグカップになかにいれて、まどから ぽいいと すててくれるわ」と、ママ。パパにいっても、きいてくれません。ディジーそれはちょっと聞こえませんよ。いつも髪の毛が燃えているだとか、郵便屋さんがイヌに食べられちゃったといっていましたからね。

 でも、こんどは本当です。

 サイは いつのまにかディジーの家で、玄関や庭にくつろぎ、トイレまでつかっています。

 ママ、パパにいっても「ディジー、わからないの? わたしたち いそがしいのよ」

 サイとディジーは、すぐになかよしになって、おしゃべりしたり、ピザを作ったり、くすぐったり。それでもママ、パパはきがつきません。

 サイはこのまま、ディジーの家にいすわるのでしょうか?。

 

 サイのかわいらしさにみとれていると、サイの涙でどきり。家族のところにかえりたいのです。

 動物園にいって、「紫色でパンケーキが大好きなサイが行方不明」のポスターをみて、デイジーのはなしは本当だときがついたパパとママは、サイを飛行機に乗せます。

 サイの件から、ママとパパは、デイジーの話に、耳を傾けるようになりますが、夜、玄関の向こうに姿をあらわした、ピンクのシロクマの話は、信じるでしょうか。

 親しみやすい動物の味わいのある絵が特徴です。

 表紙の絵でサイがもっているのはテレビのリモコンかな?