どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

てんしき

2021年09月02日 | 絵本(昔話・日本)

      らくごえほん てんしき/川端 誠/KADOKAWA/2019年

 

 お腹の具合がわるくて医者の弦庵先生にみてもらった、和尚さん。医者に「てんしきはありますかな」と聞かれますが、和尚さん、なんだかしりません。つい知ったかぶりをして、てきとうに「いえ、てんしきは、ありません」と答えてしまいます。

 気になった和尚さんは、小坊主の珍念さんを呼び、「てんしきをかりてきなさい」と言いつけます。

 何だかわからないものを、かりてこい、と言われて困ってしまった珍念さん。
花屋で「床の間に飾っておいたら、友だちがきて、めずらしいてんしきだって、ほしいといわれ、やっちゃって、今ない」

 石屋では、みそ汁にいれて食べちゃって、今ないんだよ」といわれ、薬をもらいがてら、和尚さんにきくと・・・。


 ”てんしき”がなにか わかった珍念さん、「カマっていってみよう」と、和尚さんに ちょっと仕掛けます。

 

 独自のオチにされたという川端さんのオチが絶妙。”てんしき”がなにか、とちゅうまでわかりません。

 貸してくださいといわれ、知ったかぶりする人がでてきて、あれ てんしき というのは何?と思っていると、落語らしいオチに大笑い。でも最後よくよく考えないとピンときません。

 日常によくある場面で ”てんしき”は、上手な表現方法です。