らくごえほん てんしき/川端 誠/KADOKAWA/2019年
お腹の具合がわるくて医者の弦庵先生にみてもらった、和尚さん。医者に「てんしきはありますかな」と聞かれますが、和尚さん、なんだかしりません。つい知ったかぶりをして、てきとうに「いえ、てんしきは、ありません」と答えてしまいます。
気になった和尚さんは、小坊主の珍念さんを呼び、「てんしきをかりてきなさい」と言いつけます。
何だかわからないものを、かりてこい、と言われて困ってしまった珍念さん。
花屋で「床の間に飾っておいたら、友だちがきて、めずらしいてんしきだって、ほしいといわれ、やっちゃって、今ない」
石屋では、みそ汁にいれて食べちゃって、今ないんだよ」といわれ、薬をもらいがてら、和尚さんにきくと・・・。
”てんしき”がなにか わかった珍念さん、「カマっていってみよう」と、和尚さんに ちょっと仕掛けます。
独自のオチにされたという川端さんのオチが絶妙。”てんしき”がなにか、とちゅうまでわかりません。
貸してくださいといわれ、知ったかぶりする人がでてきて、あれ てんしき というのは何?と思っていると、落語らしいオチに大笑い。でも最後よくよく考えないとピンときません。
日常によくある場面で ”てんしき”は、上手な表現方法です。